リスクマネジメントの考え方
2009年10月23日 09:00
【Q】
なんらかの支援を必要とする高齢者の生活にはリスクがつきものですが、リスクを考えすぎると利用者が望むような生活が送れません。ケアマネジメントとリスクマネジメントはどのように考えればいいのでしょうか?
【A】
介護サービスにかかるリスクマネジメントは、実はケアマネジメントそのものと言えます。適切なアセスメントによる生活課題の把握、ケアプランへの安全対策や留意事項の明記、サービス担当者会議での合意、モニタリングによる安全面の確認とケアプランの見直しなど、ケアマネジメントの各プロセスにリスクマネジメントの視点が必要です。つまり、リスクマネジメントはそれだけが単独で活動するのではなく、ケアマネジメント全体を包含するものなのです。
また、リスクマネジメントは個人の資質だけを問題にするのではなく、組織内外のシステムや連携の改善に取り組むことも重要です。リスクマネジメントは組織全体で行うとともに、介護サービス事業者全体が実施しなければ効果は少ないものです。ただし、介護サービス事業者は少人数であり、常勤者の割合が少なく、ほとんどが登録やパートであるため、組織的に行うことが難しい状況にあります。
出典:篠田道子 著『改訂 質の高いケアマネジメント』中央法規出版、2008年