ケアマネジメントはいつ生まれたの?
2009年10月19日 09:00
【Q】
ケアマネジメントは高齢者だけに限ったものではなく、障害者の支援にも用いられると聞きました。どのようにして誕生したものなのでしょうか?
【A】
ケアマネジメントは、1970年代後半のアメリカで誕生しました。精神障害者の脱施設化を促進する手法として、「ケースマネジメント」という用語を用いたのが最初です。ケースマネジメントは、対人関係を築きながら、複雑な障害者の生活ニーズを明らかにし、ニーズに合致するサービスを提供する支援方法を体系化したものです。これが、長期ケアを必要とする高齢者や身体障害者の支援にまで発展し、さらにはイギリスやカナダ、オーストラリア、日本へと導入されました。なお、ケアマネジメントという用語を用いるようになったのは、「ケース」という言葉が冷たい印象を与え、またマネジメントするのはケアであり、本人(ケース)ではないといった理由とされています。1)
一方でケアマネジメントは、高齢化社会を迎えた先進諸国において増え続ける医療費の削減を目的としたコストコントロールのために導入された側面もあります。コストと抑えながらも質の高いサービスを効率よく提供するという2つの側面をもちながら発展してきたという経緯があるのです。
参考文献1)白澤政和、橋本泰子、竹内孝仁監修「ケアマネジメント概論」『ケアマネジメント講座(第1巻)』中央法規出版、2000年、4頁
出典:篠田道子 著『改訂 質の高いケアマネジメント』中央法規出版、2008年