歯磨き粉を選ぶポイント
2009年10月02日 09:00
【Q】
よく「歯磨き粉はつけなくてもいい」といいますが、歯磨き粉を使う場合、選び方と磨き方のポイントを教えてください。
【A】
歯磨き粉のなかには、虫歯や口臭を予防するもの、歯周病菌を抑えるものなど、さまざまな効果のある成分が配合されています。最近話題の「キシリトール」は、虫歯の原因となる菌の活動を抑え、フッ素と同様にエナメル質の再石灰化を促進します。また、歯にこびりつく歯垢を落としやすくする働きがあります。「硝酸カリウム」は、露出した歯の根元の象牙質が、水やブラッシングなどで歯がしみたり痛みが出ることによる刺激を和らげる効果があります。「フッ化ナトリウム」には高い虫歯予防の効果があり、一般に「フッ素配合」と書かれた歯磨き粉には、このフッ化ナトリウムが入っています。
しかし、歯磨き粉による効果はあくまでも補助的なものです。歯磨き粉を遣うと歯がきれいになると思い込み、ついブラッシングの時間を短縮してしまいます。歯磨き粉には、研磨剤や保湿剤、発泡剤、香料、薬品成分などが含まれていますが、磨き残しの原因には、これらの成分が関係しています。
・研磨剤…「歯を白くする」「顆粒」と書かれているものには研磨剤が多く含まれ、歯に有害となる
・発泡剤…泡により、どこを磨いているのかわからなくなる
・香料…爽快感によりきれいに磨けたと錯覚する
ていねいなブラッシングであれば、歯磨き粉は不要といわれます。歯磨き粉をつける場合、ブラシ部分の3分の1程度につけて、歯全体になじませる感じで磨きましょう。
出典:『食事ケアことはじめ』中央法規出版、2006年