口臭を予防する工夫は?
2009年10月01日 09:00
【Q】
加齢によるものなのか、食事の残渣なのか、口臭の気になる利用者が何人かいます。かかわる際に、職員側の表情に出ないかどうか不安でなりません。
【A】
口臭は、口の中に生息する多くの細菌が関係します。清潔な口の中には細菌の量が少ないので、他人に口臭を感じさせることは多くありません。
高齢者の口臭の原因の多くは、口腔衛生状態の不良によります。食物残渣や歯垢による歯周病、虫歯、舌苔などです。口臭を除去するためには、口腔内の残渣や歯垢を除去し、細菌の繁殖を抑えることが大切です。これらを取り除くには、歯磨きが適しています。また、歯間ブラシの併用も効果的です。
市販の洗口液は、一時的には効果を発揮しますが、臭いのもととなる残渣や歯垢を除去することはできません。歯磨きの効果を高める補助的なものとして考えましょう。
まひなどで歯磨きがうまくできない場合は、介助者が口腔内を清拭したり、スポンジブラシで口腔ケアを行います。入れ歯の場合、歯垢が入れ歯の裏やバネの部分に付着しやすく、見落とされがちなので、注意します。また、就寝時には必ず外して、水の中で保管しましょう。
舌苔は、柔らかいはぶらしや綿棒による清拭で落とすことができます。
出典:『食事ケアことはじめ』中央法規出版、2006年