ピアカウンセラーになるにはどうすればいいの?
2009年09月18日 09:00
【Q】
サービスを提供している精神障害の方が、ピアカウンセラーになりたいと言っています。研修などはあるのでしょうか?
【A】
日本では、日本ピアカウンセリングネットワークが2002年に設立され、約40時間の講義と演習を標準とし、ピアカウンセリング研修は、各地の精神保健福祉センターや関係団体で研修事業として普及してきています。
研修内容は、精神保健福祉の歴史や精神医療、福祉などの支援施策については、センターの職員等が担当して講義を行い、情報提供のために必要な知識として、自分たちが利用するサービスを具体的に把握します。こうして自分たちの利用資源を基礎知識として得た上で、ファシリテーターがピアカウンセリングに関する理念や原則、援助技術を講義し、ピアカウンセリングの意義を学習することになります。
具体的な援助技術についての演習は、アメリカのカリフォルニア州で開発された10セッションで構成されるピアカウンセリングマニュアルに即し、自己認識・自己受容を基礎とし、傾聴の技術を中心とした相手を助けるコミュニケーションづくり、ピアカウンセラーになった後の訓練としての燃えつきや自殺への対応など、3段階に分けられます。また、ピアカウンセリングの具体的な傾聴の技術の基礎学習も用意されています。
演習を通して、ピアカウンセリングの基本姿勢である「人は誰でも適切な機会さえあれば、自分の問題を自分で解決することができる」という、人間本来に備わっている自助の力(自助努力)に力点を置くこと、その可能性を見いだすことによって得られる自己効力感を相互に分かちあうエンパワメントを求める選択と決定を重視した相互関係を学ぶことを目標としています。
出典:『精神障害者の相互支援システムの展開』中央法規出版、2008年