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福祉マイスターへの道 毎日更新

コーチングで答えが引き出せないとき

【Q】
 利用者にコーチングを試みていますが、なかなか答えを引き出せません。「どうすればよいと思いますか?」と尋ねても、「さあ…わかりません」と言われてしまいます。

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【A】
 ご質問は、コーチングを実践されている方からは非常によくある内容です。このような場合の対処法として以下の5つが考えられます。
(1)最初から最善の方法を考えるのではなく、とりあえずの思いつきや、奇抜なアイディアでもいいので、質よりも量で数多く出してもらう。
(2)問題の背景や原因をもう一度よく考えてもらう。
(3)思い切ってその回は中断し、次回までの宿題とする。
(4)相手の了解を得たうえで、「…をどう思いますか?」と言い、自分の考えを話す。
(5)ティーチング(答えを与える)に切り替える。

 (4)は一見するとティーチングのようで、実はそうではありません。「どう思いますか?」という開かれた質問をして、あくまでも相手に考えてもらうのです。コーチの考えがヒントになって、もっと現実的なアイディアが浮かぶこともあります。ただし、これはあくまでも裏技で、最初から裏技を使うことは避けなければなりません。
 (5)は反則技で、意外な対処法かもしれませんが、1つの現実的な選択肢です。自立度が低い未熟な初心者には、コーチングではなくティーチングが必要です。まずは基本的なことを教えて理解してもらわなければならないのです。


出典:『対人援助のためのコーチング-利用者の自己決定とやる気をサポート』中央法規出版、2007年

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