総合的な援助の方針の考え方
2009年09月25日 09:00
【Q】
ケアプランの第1表「総合的な援助の方針」の内容が、いつも曖昧なものになってしまいます。どのような視点で考えればいいのでしょうか?
【A】
総合的な援助の方針とは、利用者・家族・サービス提供者が目指す共通の援助方針であり、方針があって、はじめて目標(長期目標)が定まるものです。逆に言えば長期目標を統合したものが総合的な援助の方針となります。
ケアプランの最終目標は、QOLの最大限の向上と自立支援です。これはICFの「参加(生活・人生場面へのかかわり)」に該当するものと考えられるでしょう。したがって総合的な援助の方針は、「参加」レベルの目標(「参加制約」の改善)を設定します。QOLの向上や自立支援が単なるスローガンにならないためにも、実現可能で具体的な「参加」レベルの目標とすることが大切です。「現在のADLを維持できる」「認知症の症状が悪化しないで、安心して在宅生活が送れる」などといった「方針」はありがちですが、これらは「活動」レベル(ADL)や「心身機能・身体構造」レベル(病状や障害)にとどまっているものだといえるでしょう。
なお、総合的な援助の方針は介護サービスの質を決定するので、サービス担当者会議で設定するのが望ましいやり方です。利用者・家族・専門職の間でズレが生じた場合の解決策としては、方針を複数提示して、利用者・家族が1つを選択するという方法もあります。
出典:篠田道子 著『改訂 質の高いケアマネジメント』中央法規出版、2008年