暴言・暴力行為のある人への対応
2009年09月29日 09:00
【Q】
食事中に隣の利用者に対して暴言を吐いたり、介助する職員の手を上げる利用者がいます。現在は1人席を離して、時間もずらして対応していますが、何か方法はないものでしょうか。
【A】
おそらく何かの原因があって、暴言・暴力行為につながっているのでしょう。まずはその原因の追求が必要です。特定の人物や状況、発言など、それらの原因を把握し、解決に尽力することで、穏やかな食事環境づくりを心がけます。
食事を摂るときには、ゆったりとした雰囲気で、楽しく食事をしていただくことが、おいしく食べる重要な条件です。不穏な状態で食事を摂っても、食事に関する感覚が脳に伝わらず、体内への指示もきちんと伝達できません。嚥下に関する神経、消化液の分泌、胃腸内の食事の送り込み作業など、これら体内の動きは、脳からの食事に関する刺激によって活発になります。こうした一連の動きをスムーズに行うためにも、食事を摂るときの環境は非常に大切です。
食事の場所や座席を変えてみる、食卓に花を飾る、照明やテーブルコーディネートなどで、食事に対する意識を高めてもらいます。しかし、「他の利用者との相性が悪いから……」という理由だけで席を離すのでは対症療法にしかなりません。その場合は、前述のとおり原因を把握して、解決に尽力しましょう。
出典:『食事ケアことはじめ』中央法規出版、2006年