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福祉マイスターへの道 毎日更新

危機状態にある人への支援とは?

【Q】
 危機状態にある精神障害者に対して、精神保健福祉士はどのような支援をする必要があるのでしょうか?

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【A】
 危機状態にある人は、不安や緊張状況におかれバランスを崩し、意欲とともに対処能力が減退し、やる気がない、怠けているなど、否定的な印象を与えやすい状態に陥りがちです。また、イライラして落ち着かず、八つ当たりのように周囲に攻撃的になり、近寄りがたい印象をもちやすいものですが、精神保健福祉士はこのようなときにこそ、その状態を手助けを求めるSOSのサインとして受け止め理解する姿勢が重要になります。気づきを伝え、何に困って、それはどうしてなのだろうかを本人から学び、ともに考え、本人の可能性を信頼し、希望が見いだせるように、潜在する力を発揮し挑戦する動機を培う初期介入が決め手となります。
 危機が起きたときは、誰かに助けを求めたいという欲求が起こり、何らかのメッセージを発信しているものであり、救助者が現れなければ自力で、自分なりの方法で解決せざるを得ません。この危機状況は、1~6週間の期間であるといわれていますが、この時期こそが他者の助力を受け入れる好機であり、本人にとってはピンチをチャンスに変え挑戦する機会となります。助力を得られず、本人の自力で適切かどうかを問わず処理せざるを得ない結果、社会的に受け入れられそうにないやり方で孤独な苦境処理を実行することになることもあります。
 そこで介入する際には、単なる力のない、思慮の不足など、個人の力量に思いを馳せるのではなく、孤立や孤独のリスクを負わざるを得なかった状況を理解し整理する援助者の力量を発揮することが大切なのです。


出典:『精神障害者の相互支援システムの展開』中央法規出版、2008年

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