定期巡回・随時対応サービスの“障壁”はなにか?
1月17日、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社は「アンケート結果からみる『定期巡回・随時対応サービス』」(2012年度厚生労働省老人保健事業推進費等補助金〈老人保健健康増進等事業分〉 以下、アンケート)を公表しました。
定期巡回・随時対応サービス(定期巡回・随時対応型訪問介護看護)は、 「地域包括ケア」の“目玉サービス”として、2012年度から地域密着型サービスに新設され、厚生労働省老健局は2015年改定に向けてさらに「提供体制の充実」を目指すとしています(第42回社会保障審議会介護保険部会〈2013.01.21〉資料2「介護分野の課題」より)。
アンケートの目的は、定期巡回・随時対応サービスに参入する事業所が少ない理由(障壁)を明らかにすることで、(1)“参入していない”訪問介護事業所のサービス・イメージにギャップがある、(2)看護職員、連携訪問看護ステーションの確保が困難、(3)ケアマネジャーへの周知や理解の低さ、(4)利用者、家族への周知や理解の低さ、が挙げられています。
2015年改定に向けた議論のスタート
1月21日、午後6時から社会保障審議会介護保険部会(山崎泰彦・部会長 以下、部会)の第42回が開かれました。2011年11月24日に「社会保障・税一体改革における介護分野の制度見直しに関するこれまでの議論の整理」(2011年11月30日公表)をまとめて以来の開催です。
原勝則・厚生労働省老健局長からは「2015年度の介護保険法改正、介護報酬改定の同時実施に向けて、社会保障制度改革国民会議と調整しながら具体的な方策について議論をお願いしたい」とあいさつがありました。
なお、同日11時からは、首相官邸で社会保障制度改革国民会議(清家篤・会長 以下、国民会議)の第3回が開かれました。国民会議は、昨年11月から「消費税5%(13.4兆円程度)引き上げによる社会保障制度の安定財源」を社会保障4経費(年金、医療、介護、子育て)にどう使うのかを議論しています。3回目は「これまでの社会保障制度改革国民会議における主な議論」(資料3)が示され、「負担の引上げ、給付の削減」と「低所得者対策に公費を重点化」などの意見が示されています。
“地域ケア会議”の「ご意見募集」
前回、「介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会における議論の中間的な整理」(厚生労働省老健局 以下、中間的整理)が公表され、各項目について(1)法律や政省令の改正、(2)第6期(2015~2017年度)介護報酬改定、(3)“実務的な検討会”で議論する予定であることを報告しました。
介護保険法など法律改正に関わることは、これまで社会保障審議会介護保険部会(山崎泰彦・部会長 以下、部会)で議論が行なわれていますが、1月21日に第42回が開催される予定です。
中間的整理のなかで、法律改正に関わるのは、「保険者である市区町村によるケアマネジャーの支援」を充実させるために、“地域ケア会議”を「法制度的な位置付けも含め、その制度的位置付けについて強化すべき」という提案です。
ケアマネジャーの“中間的整理”
1月7日、厚生労働省老健局振興課は、「介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会における議論の中間的な整理」(以下、「中間的整理」)を公表しました。
「中間的整理」は、2012年12月27日、「介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会」(田中滋・座長 以下、検討会)の第7回で、「議論の中間的な整理(案)」(資料1)が示され、21人の構成員の修正意見などをもとに確定したものです。
厚生労働省老健局(以下、老健局)は今後、「中間的整理」について、法律や政省令の改正が必要なものは社会保障審議会介護保険部会(山崎泰彦・部会長)や第6期(2015~2017年度)介護報酬改定を検討する過程で議論し、研修の見直しなどは“実務的な検討会”で1年くらいかけて具体化するとしています。
なお、第7回検討会では、727件の意見が寄せられたパブリックコメントの報告(参考資料1)も同時に行なわれました。