第5期介護報酬の賃上げ効果
5月29日、社会保障審議会介護給付費分科会(大森彌・分科会長 事務局・厚生労働省老健局 以下、分科会)の下に設置された介護事業経営調査委員会(以下、委員会)の第1回が開かれました。
委員会は第6期(2015~2017年度)介護報酬改定の議論の資料とするアンケート調査を行うのが目的で、2009年に分科会が設置した調査実施委員会(田中滋・委員長)の名称を変更したものです。名前は新しくなりましたが、構成委員、委員長の6人は同じ顔ぶれで継続されることになりました。なお、委員会の検討内容については、分科会にそのつど報告することが予定されています。
特別養護老人ホーム待機者のゆくえ
5月17日、介護報酬の見直しについて議論する社会保障審議会介護給付費分科会(大森彌・分科会長 事務局・厚生労働省老健局 以下、分科会)の第90回が開かれました。
おもな内容は、(1)第6期(2015~2017年度)介護報酬の見直しに向けて分科会のもとに設置された委員会や厚生労働省老健局長の私的懇談会の報告、(2)2011年度の厚生労働省の研究補助事業の報告、(3)市区町村が策定した第5期(2012~2014年度)介護保険事業計画の集計報告(東日本大震災被災14保険者をのぞく1566保険者)です。
介護職員の資格
第5期(2012~2014年度)介護報酬改定の大きなポイントは、介護職員処遇改善交付金(税金)が「介護職員処遇改善加算」として介護報酬に組み込まれたことですが、5月11日には厚生労働省老健局長が主催する「介護職員の処遇改善等に関する懇談会」(以下、懇談会)が開かれました。開催趣旨は「介護人材の確保・定着は重要な課題であり、今後の介護職員の処遇改善等のあり方について関係団体等による意見交換を行う」(資料1)で、(1)キャリア段位制度、(2)認定介護福祉士(仮称)制度の方向性、(3)IT等を活用した医療・介護周辺サービス産業創出調査事業についての報告と、委員の自由意見が出されました。
なお、17日には社会保障審議会介護給付費分科会の第90回が開かれ、介護報酬改定検証・研究委員会における議論の報告、介護事業経営調査委員会(仮称)設置の説明が行われる予定です。
今後3年間のサービス動向
介護保険制度の運営に責任を持つのは保険者(市区町村)で、高齢者の実態調査などを行い、サービス需要などを見込んだ3年1期の介護保険事業計画(以下、事業計画)を作り、65歳以上の第1号介護保険料を計算して市区町村議会の承認を得ます。
今年度は第5期(2012~2014年度)のスタートになるため、厚生労働省老健局は「第5期計画期間における介護保険の第1号保険料について」(3月30日公表)に続いて5月1日、「第5期介護保険事業計画の全国集計」(以下、全国集計)を公表しました。
介護報酬改定の「効果検証」と「調査研究」
第5期(2012~2014年度)介護報酬改定により4月から介護保険サービスの値段(介護報酬)が変わり、介護保険事業者(以下、事業者)は改定作業に忙殺されていると聞く機会が増えました。全国的な状況が確認できるのは、厚生労働省大臣統計情報部が公表する「介護給付費実態調査」(事業者が各都道府県国民健康保険団体連合会に提出した介護給付費明細書の審査集計)になるので、7月の「2012年5月審査分」の「月報」を待つことになります。
一方、介護報酬改定について議論した社会保障審議会介護給付費分科会(以下、分科会)は、今年1月15日、第6期(2015~2017年度)の改定に向けて「介護報酬改定検証・研究委員会」(以下、検証・研究委員会)を設置することを決め(第88回分科会)、4月26日に第1回(大島伸一委員長、独立行政法人国立長寿医療研究センター総長)が開かれました。