第5期の第1号保険料は2割アップ
介護保険サービスの費用(事業者からみれば売上)となる介護報酬は、その1割が利用する人の自己負担となり、残りの9割(給付費)を40歳以上の人が払う介護保険料、国・都道府県・市区町村が負担する税金でまかなっています。つまり、介護報酬が上がれば利用料、介護保険料、税金すべての負担が増えるという基本設計です。
3月30日に厚生労働省老健局介護保険計画課が報道発表した「第5期計画期間における介護保険の第1号保険料について」(2012年3月末時点で額が決定している保険者の集計値)では、第5期(2012~2014年度)の第1号保険料(基準額)の全国平均月額は4,972円で、第4期(2009~2011年度)の4,160円に比べて19.5%増、約2割上昇したことが報告されています。
介護報酬改定(12)検証・検討委員会の設置
第5期(2012~2014年度)介護報酬についてチェックしてきましたが、第88回社会保障審議会介護給付費分科会(2012年1月15日。以下、分科会)では、今回の改定について「介護報酬改定検証・研究委員会(仮称)」を設置することが了承されました。
委員会の目的は、(1)2015年度の介護報酬改定に向けて、2012年度の介護報酬改定の効果を検証する、(2)「2012年度介護報酬改定に関する審議報告」において検討が必要とされた事項に関する実態調査等を行うとされています。2月28日に開かれた第89回分科会では、「公益委員(分科会委員)及び学識経験者数名で構成」される「介護報酬改定検証・研究委員会(仮称)」委員7人の氏名が公表されました(資料5)。
介護報酬改定(11)ケアマネジメントの改定
今回は、第88回社会保障審議会介護給付費分科会(2012年1月15日。以下、分科会)に出された「平成24年度介護報酬改定の概要」(資料1-2。以下、概要)をもとに、介護予防ケアマネジメント(介護予防支援)とケアマネジメント(居宅介護支援)の改定についてみていきます。
介護報酬改定(10)介護療養病床の改定
今回は、第88回社会保障審議会介護給付費分科会(以下、分科会)に出された「平成24年度介護報酬改定の概要」(資料1-2。以下、概要)をもとに、介護療養病床(介護療養型医療施設 以下、療養病床)の改定についてみていきます。
療養病床は、病状は安定したけれど長期療養が必要な人に介護や医療を提供する施設とされ、医療保険が適用される病床と、介護保険が適用される病床があります。ただし、入院日数が長い、ベッド数が多すぎるという理由で、医療保険適用型の約15万床を残して、2006~12年度までに、介護保険適用型を含む約23万床は老人保健施設(介護療養型老人保健施設)などに転換し、介護療養病床は廃止することが予定されました。(2006年1月26日、第39回分科会、資料5「介護療養病床の将来像について」より)。
そして06年4月に約12万床あった介護療養病床は、11年6月には約8万床に減りました。