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どうなる? 介護保険

介護報酬の方向性

 2回目の大きな改定となる改正介護保険法は6月15日、国会で成立しましたが、具体的な内容は社会保障審議会介護給付費分科会(以下、分科会)で検討されます。こちらは介護報酬という「サービスの値段」を決めるため、「2011年度介護事業経営実態調査」が「介護報酬設定に必要な基礎資料」と位置づけられ、最新調査の公表は今秋とされています。
 このため、介護報酬改定の方向性として示されているのは2月7日、第71回分科会に出された「2012年度介護報酬改定に向けたメモ」のみの状態です。

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これまでに分科会が取り上げたこと
 それでは、分科会ではこれまでにどのようなテーマが取り上げられたのでしょうか。分科会資料から追ってみると、次のようになります。
(1)区分支給限度基準額(第71回分科会、2月7日)
(2)地域区分(第73回分科会、4月27日)
(3)介護人材の確保と処遇の改善策(第74回分科会、5月13日)
(4)定期巡回・随時対応サービス及び複合型サービス(第74回分科会)
(5)医療と介護の連携(第75回分科会、5月30日)
 ……訪問看護、リハビリテーション、療養病床、老人保健施設
(6)介護保険施設(第75回分科会)
 ……特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養病床、認知症高齢者グループホーム、特定施設(有料老人ホーム、ケアハウスなど)
(7)高齢者の住まい(第76回分科会、6月13日)
 ……サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム、特定施設
(8)認知症への対応(第76回分科会)

分科会に呼ばれた事業者団体
 また、これまで分科会に招かれたヒアリング団体は次のようになります。
(1)一般社団法人全国個室ユニット型施設推進協議会(第75回分科会)
(2)社団法人全国有料老人ホーム協会(第75回分科会)
(3)一般社団法人全国特定施設事業者協議会(第75回分科会)
(4)一般財団法人高齢者専用賃貸住宅協会(第76回分科会)
(5)公益社団法人日本認知症グループホーム協会(第76回分科会)
(6)全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会(第76回分科会)
 介護保険サービスは大きく分けて、訪問サービス、通所サービス、ショートステイ、特定施設、地域密着型サービス、施設サービスとありますが、分科会で取り上げられたのは、特定施設と施設サービス、そして医療系サービスということになります。
 「2012年度介護報酬改定に向けたメモ」には“給付の重点化”とありますが、利用者の7割を占める訪問、通所など在宅サービスが今後、どのように取り上げられるのか、注目したいと思います。



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本連載では、介護保険制度にまつわる皆さんの質問や疑問を受け付けています。制度改正のポイントや利用者・家族、介護職員などへの影響について具体的に知りたいなど、何でも結構です。
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プロフィール
小竹 雅子(おだけ まさこ)
市民福祉情報オフィス・ハスカップ主宰。「障害児を普通学校へ・全国連絡会」「市 民福祉サポートセンター」などを経て、2003 年から現在の活動に。著書に岩波ブックレット『介護認定介護保険サービス、利用するには』(09 年11月)、『介護保険Q&A 第2版』(09年5月)、『こう変わる!介護保険』(06年2月)などがある。
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