介護保険改正に向けたこれまでの軌跡
**2月7日より毎週月曜更新予定です**
1月24日に召集された第177通常国会では、介護保険法の大きな法改正が審議される予定です。そこでまずは、これまでの軌跡をおさらいします。
●社会保障審議会で見直しの議論が行われる
介護保険制度の改定は、5年ごとの法律(介護保険法)の改正、3年ごとの介護報酬と介護認定(どちらも厚生労働省令)の見直しが中心となります。
改定の手続きとして、厚生労働省が設置している社会保障審議会(厚生労働大臣に意見を述べる諮問機関のひとつ)の下に、介護保険制度全般については介護保険部会、介護報酬や運営基準の改定については介護給付費分科会が置かれ、意見をまとめています。それらの意見をもとに、介護保険法については改正法案が国会に提出されて審議が行われ、介護報酬については厚生労働省令が改正されています。
●2006年度介護報酬改定までの流れ
2005年の通常国会に提出された介護保険法改正案のために、2003年5月27日から介護保険部会(貝塚啓明座長)がスタートしました。そして、「介護保険制度の見直しに関する意見」(2004年7月30日)、「『被保険者・受給者の拡大』に関する意見」(2004年12月10日)が公表され、法律改正に続いて、介護給付費分科会(大森彌座長)で2006年度の介護報酬の見直し内容がまとめられました。なお、介護認定については、厚生労働省老健局長の私的検討会である「要介護認定調査検討会」で2009年度の見直しの内容が検討されました。
●2011年法改正、12年度介護報酬改定は…
今年は再び、通常国会で2回目の大きな法改正が予定されています。2010年5月31日からはじまった介護保険部会(山崎泰彦座長)は「介護保険制度の見直しに関する意見」(2010年11月30日)をまとめました。しかし今回は、政権党である民主党が同党厚生労働部門会議・介護保険制度改革ワーキングチームで「介護保険制度の見直しに関する提言」(2010年12月22日)をまとめ、介護保険部会の介護保険料や利用料の引き上げにストップをかけています(「介護保険部会『意見』とWT『提言』の対照表」参照)。
現在、厚生労働省のホームページには「介護保険法等の一部を改正する法律案(仮称)のポイント」が公表されています。また、2012年度の介護報酬の見直しを議論する介護給付費分科会は2月7日に第71回開催が予定されています。
介護保険制度のゆくえについて、みなさんとともに注目していきたいと思います。