今回は、精神科病院で働く精神保健福祉士の仕事ぶりを見てみましょう。
Vol.10 受験が終われば、現場にGO! 働く場の実際と心構え
その3 精神科病院のシゴト
板倉康広さん(33歳)
特別・特定医療法人群馬会 赤城高原ホスピタル
ソーシャルワーカー
所有資格:社会福祉士、精神保健福祉士
多岐にわたる仕事内容
その仕事は多岐にわたります。外来に新しいクライアントが来れば、診察前にインテークを行い、アセスメントの上で治療プログラムや各種社会資源の説明や案内等を行い、診察につなげます。依存症は、その病の特徴から、家族関係が崩壊していたり、さまざまな困難を抱えている場合が多いので、インテークでのアセスメントや介入が非常に大切なものになります。
外来業務に加え、一日中かかって来る電話相談等との折り合いをつけつつ、入院した方へのかかわりも欠かせません。
経済的な問題に関する相談や各種制度説明、家族間の調整、自助グループや施設等の社会資源の紹介や各種手続き、入院生活におけるさまざまなハプニングなど、相談の内容は多岐にわたります。多くのクライアントがさまざまな生きづらさやトラウマ、多様な困難を抱えているため、カウンセリング的な面接業務もかなりの頻度で行われます。虐待、DV、トラウマ等も関連の深い分野であり、かかわる機会が少なくありません。院内での対応にとどまらず、関係機関との連絡調整などが不可欠です。
また、退院後も継続的に面接や支援を続ける必要がある場合も多く、年単位でかかわるクライアントもいます。そのほかにも、家族や本人の治療グループを担当したり、関係機関との連絡調整や連携、組織内では会議の進行役を担ったり、職種間の調整役的な立場をとることも少なくありません。
外に対しては、研修の受け入れ、中学や高校への講演活動などもあります。それらの仕事の多くは次々と舞い込んでくるので、一日中走り回りながら折り合いをつけていく、そんなイメージが一番リアルかもしれません。
外来業務に加え、一日中かかって来る電話相談等との折り合いをつけつつ、入院した方へのかかわりも欠かせません。
経済的な問題に関する相談や各種制度説明、家族間の調整、自助グループや施設等の社会資源の紹介や各種手続き、入院生活におけるさまざまなハプニングなど、相談の内容は多岐にわたります。多くのクライアントがさまざまな生きづらさやトラウマ、多様な困難を抱えているため、カウンセリング的な面接業務もかなりの頻度で行われます。虐待、DV、トラウマ等も関連の深い分野であり、かかわる機会が少なくありません。院内での対応にとどまらず、関係機関との連絡調整などが不可欠です。
また、退院後も継続的に面接や支援を続ける必要がある場合も多く、年単位でかかわるクライアントもいます。そのほかにも、家族や本人の治療グループを担当したり、関係機関との連絡調整や連携、組織内では会議の進行役を担ったり、職種間の調整役的な立場をとることも少なくありません。
外に対しては、研修の受け入れ、中学や高校への講演活動などもあります。それらの仕事の多くは次々と舞い込んでくるので、一日中走り回りながら折り合いをつけていく、そんなイメージが一番リアルかもしれません。
「ソーシャルワーカー」というアイデンティティ
一方で、最近気になるのは、精神保健福祉士という資格をとった時点をゴールと考えていたり、「精神保健分野のことだけをするソーシャルワーカー」という位置づけでとらえている方が多いことです。
私のアイデンティティは「ソーシャルワーカー」です。精神保健福祉領域で働いていますが、当然そこには精神保健福祉以外の課題もあります。クライアントの周りには、彼らが日常かかわっている家族やそのほかの人間関係があり、さまざまな現実と感情があり、それらすべてを含んだものが「生活」です。精神保健福祉領域特有の事柄だけでなく、幅広くアセスメントし、かかわることがとても大切なのです。
根っこに「ソーシャルワーカー」としての自分自身への質のこだわりがなければ、せっかくの資格は意味をなさないものになりかねないでしょう。
資格取得を目指す皆さん、資格を取得されてこれから働こうとする皆さんには、無感動に資格のために学習するのでなく、「生活者」であるクライアントと現実的な実感をもってお付き合いできる、専門職としての感性を育むことを忘れないでほしいと思います。そういった意識や倫理観は、援助のあり方や質を変え、資格に意味を与えます。そういう意味のある資格だからこそ、私たちはその重さを感じ、専門職としての意識と自信を与えられるのではないでしょうか。
- 関連リンク
-
けあサポ 福祉専門職サポーターズ
「プロフェッショナルブログ・佐野卓志のこころの病を生きるぼく」
中央法規出版
「新人PSW(精神科ソーシャルワーカー)おすすめ図書」