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和田行男の「婆さんとともに」

集まり

 僕が管轄する事業所は、グループホーム10、通所介護6(認知症対応型含)、特定施設2、ショートステイ2、小規模2あり、毎月管理者連中を集めて顔合わせを行っている。いわゆる「会議」ってやつである。
 会議はどこの法人でもやっていることだろうが、僕のやっていることは「会議」と言えるほど上等なものではなく単なる「集まり」である。が、されど「集まり」だとも僕は思っている。

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何と水色の消防車! うちの連中は喜ぶ???かな

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 辞書で「会議」を調べると「関係者が集まって相談をし、物事を決定すること。また、その集まり。」とある。
 ちなみに「会合」とは「相談・討議などのために人が寄り集まること。また、その集まり。寄り合い。」とあり、ついでに「集会」を調べると「多くの人が、共通の目的をもって、ある場所に集まること。また、その集まり。」とある。
 僕にとって月に一度顔を会わす会を開く意味は、ひとつには厳しい中で「また明日から仕事しよう!」ってモチベーションの機会とすることにある。
 辞書にあるように「物事を相談し決定する」という意味で会議の要素もなくはないが、主は「集会」である。
 ただ、毎月「会議をやっている」というのと「集会をやっている」というのでは響きが違うので、誰をも納得させる力をもつ「会議」を名乗っているだけのこと。
 本質的には、会議よりも集会のほうが大事だと僕は思っており、「共通の目的をもって集まること」が一番で、共通の目的もなく相談・討議するためにうちの連中を集めることはしない。
 では「共通の目的とは何か」である。
 例えば、みんなの法人で「予定されている実地指導をどうやって乗り切るか」という共通の目的で各事業所の管理者が相談・討議する会議が招集されたとする。
 これとて共通の目的と言えば言えなくはないが、そもそも実地指導は何のために行われるかを考えれば、国民生活の護り手としての介護保険事業を「定め」に基づいて運営しているかどうかを点検し、より良い運営になるように行政として指導するのが実地指導である。
 であれば、実地指導の意味するところは「普段の運営」にあり、「普段」は過去であるから、これからの実地指導のために集まって相談・討議することの意味はないということになる。
 いわんや「普段を隠す・取り繕う」なんていうのは馬鹿げているし、それを職員に命じるなんてとんでもないことだということになる。
 うちの連中を集めては、表現は違っても同じことを繰り返し伝えている。
 国民生活の護り手としての「介護」や「事業」の社会的使命、コンプライアンスとは、尊厳の保持・有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすると謳う介護保険法の目的の意味とその遂行、実地指導や第三者評価の意味など、根っこにあるものこそ「共通の目的」であり、それを共有する機会が「集まり=集会」である。
 だから集まりで、事務的なことがおろそかであったとしても怒る(いかる)ことはないが、「共通の目的」に背くと怒りまくる。
(※といっても柔らかいですがね)
 どんなことを相談・討議する時も「共通の目的の根っこ」を大事にしていけば、安全確保のために「出て行くから閉じ込める・クスリで抑える」なんていうことにはならないはずだ。
 つまり安全確保が共通の目的のように思い納得してしまいがちだが、根っこの共通の目的は「尊厳の保持」なのだから。
 寄せていただくコメントやメールでは、これから施設を立ち上げる人もいるようである。まずはこの「根っこの共通の目的」を明確にして、それを軸にした運営を展開できるチーム作りに挑んではどうだろうか。

[追伸]
 東北大震災の年の8月に結成した「災害支援法人ネットワーク」通称おせっかいネット(全国15法人で構成)の総会&交流会を高知県高知市で開催する。
 高知は、南海トラフ大地震の予測で壊滅的な被害が出ると報道された土地。どんなルートで支援に行けるのか、そんなことを描きながら各地から仲間が集まる。
 これもまた、集会である。
 あちこちで開催される研修会も「研集会」にしないと変わらないのかもしれない。
 集会は大事である。


コメント


ひとりでは、不安もみんなと共有出来たら自信になる…
いつも助けてもらえる仲間に、感謝です!


投稿者: ホソダ | 2013年08月06日 20:18

形だけの月一ミーティングに、辟易していたところです。
身のある集まりになるよう、事業所では新人ですが、働きかけてゆくことを諦めないでゆきたいと。決意を新にしました。


投稿者: ねむりねこ | 2013年08月07日 17:19

僕らも会議は月に何回かあります。参加する職員はいつも少ない。先輩たちは休み、下の人たちが毎回いる。これではせっかくの話し合いが無駄になり「向上」の意味がないと思う。なんのための会議かもう一度考えなきゃ。


投稿者: ひまわりの家 しゅん | 2013年08月08日 06:48

『ユニットリーダー研修』に参加し思う事がありました。全国津々浦々にある施設から代表して来ている方に集会(飲む会)で、色々な想い・知識等を聞けました。千差万別がケアにとって良い事、実施研修で他施設を見る事で気づく事が多々ありました。介護保険法を甘く見ていた自分。
今からは、読み解き・悩み・信念を貫こうと思います!和田節で言うと、『答えが出ないかもしれないけど自問自答して…』行こうと思います!


投稿者: 中根 | 2013年08月08日 17:54

益々暑くなってきました。昨日建物最終検査を暑い中行い、明日引き渡しの「これから施設を立ち上げる人」です。もちろん我々職員は「共通の目的の根っこ」を大事に、そして第一に熱い熱い志をもっています。が、悲しいことに、事業主にはまだまだ熱い思いが伝わらないようで・・・、自分の力の無さを実感して悩んでいます。かなりつらいです。でも、それが嫌なら「辞めちまえ~」で済まないのも現実です。一つ一つ実績を重ね、お婆さん達の笑顔を沢山見せて、周りを安心させられるように皆で頑張ります。どこにでもある悩みですよね。愚痴ってしまってごめんなさい。


投稿者: 稲毛のマウンテン | 2013年08月10日 09:38

放置していた根野菜から勝手に芽と根が出てきました。
観賞用として楽しんでいたら、ぐんぐん育って巨大化しています!

何度かしおれて枯れてしまいそうになることもありました。

だけど不思議と。。。

根っこを元気にすると、そこから何日かして葉っぱやツルがしゃんっとしてきて、また勢いよく伸びています。
根っこってだいじだなぁと思います。


「尊厳を守り、有する能力に応じ自立した生活が営めるように」
仕事の根っこがここにあることを忘れずに
(仕事の根っこがここにあることを忘れてしまう時があることや、知らないということがあることを、おかしいと気付けるように)

進みたいです。


投稿者: すみこ | 2013年08月26日 18:50

「ズレ」のテーマの横に、こっちのテーマを貼り付けたらどうだろうか〜なんて。

友達とのズレの修正には「理屈役立ず」ってことが多いけど、仕事仲間ということなら「理」こそ修正のお助けマンになるような気が私はします!

私もしょっちゅう「あ、ズレた」と感じる瞬間がありありです。いつの間にか誰かが・自分が・時にはみんなが共通の目的という「土台」から落下してると気づいたときです。
私にとっては一番エネルギーを要するのですが、気づいたら土台に戻ろうと、もがきます!
方向間違ってないかなぁ?婆さん抜きになってないかなぁ?とか考える。迷う。話してみる。また話してみる。

婆さんに直接関わる支援とはほど遠く、超間接的支援ですが、エンドレスなこの地道な内職が、専門家チームとして婆さんのために、目標を達成させるための一番の近道だと思っています。
婆さんを決して好き嫌いで選別しないことは、仕事仲間にも言えるかと。私にズレを感じる人大歓迎!共通不変の目標の下、いろ〜んな人が集まったら面白だろうなあ。。。


と思うことにした

ズレの話から全然ズレちゃったーー

m(__)m


投稿者: 夜勤ヘルパー | 2013年08月29日 02:44

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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