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和田行男の「婆さんとともに」

憧れの「くっつけるリーダー」

 いつも会うたび、自信のない発言ばかりするグループホームのホーム長。
 先日も会うと「自分は二番手で支えるタイプ。上に立って引っ張るタイプではない。」と言い、目も態度も「ホーム長を交代したい」と言わんばかりである。
 そこでひとこと言わせてもらった。
 「確かに引っ張っていくタイプじゃないと僕も思う。でもみんなをばっちりくっつけてるやん」
写真1

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 そう伝えると、目が点になっていた。
 彼はとにかく謙虚な人である。職員を差し置いて自分を際立たせるようなことは決してしない。責任を職員に押し付けるようなこともない。逃げもしなければ、職員を叱りつけるような横暴さは皆無である。
 自ら話しだすことはなく目立たない人なので、知らない人は、ホーム長として「物足りなさ」や「頼りなさ」を感じられるかもしれないが、職員や家族からの信望がとにかく厚いのだ。
 職員たちも一人ひとりは目立たず物静かな人たちだが、チームとして挑む姿勢があり、実践をコツコツ積み上げてきた、実践力の高いグループホームである。
 とかくリーダーになると、錯覚して職員の上に立って引っ張りたがるが、リーダーが職員の「上だ」と思うことも、職員を「引っ張る」と考えることも、リーダーは職員を「指導する立場だ」なんていうのも、僕は「どうかな」と思っているだけに、周りをくっつけて考えさせる彼に対しては頭が下がるばかり。
 彼が魅せてくれるリーダー像は、奢り高ぶりやすい和田行男にとって特別なクスリであり、今年も彼からのクリスマスプレゼントをいただいた。ありがと。
 今年もあと僅かやね。

追伸
 今年は31日の大みそかが月曜日なので、31日まで更新させていただきます。
 よき「クリスマス」を!

写真2
西日本最大級のイルミネーションを誇る備北公園。これはほんの入口

写真3
ハートの中で写真を撮るため、氷点下のなか長蛇の列でした。みんなハート好きやね。ハートって愛や平和や幸福ですかね


コメント


リーダーって少なからず弁の立つ人が多いと思います。和田さんの薬となっているような人はそうそういないのではないかと思っていました。奢りや高ぶりがなくて、スタッフからの人望があり、というリーダーはいます。がそれに「チームとして挑む姿勢があり、コツコツと実践を積み重ねて、実践力の高いグループホームを運営している」を兼ね備えたリーダーには出会えていないような気がします。スタッフ間のムードが良いところは、グループホームとしての進化がなく・・・
でももしかしたら、私自身が「奢る、高ぶる、引っ張る」リーダーであり、かつそういうリーダーを求めているから、気づかずに大切な人をだいなしにしてしまっているのだろうか
職員たちもそろって挑む姿勢があり、「実践力の高いグループホーム」を見習いたいものです。
来年の課題です。


投稿者: 花連 | 2012年12月25日 08:53

以前の職場を辞め、独立して早いもので9ヶ月。前の職場は私の代わりを育てて(つもり)出て行ったのですが、そいつも私が辞めてすぐに辞めてしまい、いい子なんだけど気の弱い子がリーダーとして今も頑張っています。いつ行っても「所長(以前の私の役職名)ど~しましょ~?」と言って泣き言を言ってくるのですが、なんとなく上手くやっているんですよね。その子も辞めずに・・・・。
和田さんのブログを見て思いました。こういうリーダーもありだなと。その子はその子の能力を生かして皆と上手くやっているんですよね。今度行ったときに話してやろ~っと。


投稿者: みたけや | 2012年12月28日 14:02

「自分ばかり仕事して損するから、仕事しない。仕事してもらう」と言う現場。
どう思いますか?


投稿者: わたる | 2012年12月28日 22:12

わださんへ

周りをくっつけて考えさせるってどういうことですか?タイプに関係なく必要なことですよね。二度とやるもんかリーダーなんて、と思ってたけど、興味がのぞいた


投稿者: 桃まんじゅう | 2013年01月21日 03:41

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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