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和田行男の「婆さんとともに」

リセット

 随分前にブログで書かせてもらった「アホとも」、憶えてるかなぁ。
 何もかも「人生リセット」で、首都圏から島根県へ移住(帰郷)した僕の「アホとも」。
 まさにリセットで、ついには町の人たちのすすめで市会議員補欠選挙に立候補し、全く無名・知名度なしの新人候補が、超難関の1人補欠選挙(3人立候補。投票総数2万6000超。次点と86票差)で初当選した。

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 山ごと民家を購入し移住

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 町の人たちに少しでも貢献したいと「健康遊歩道 あんな坂こんな坂」を町の人たちの力添えを得てつくった。
 図中、虫や動物が書いてあるのは、世界的に有名な電動ノコギリの彫師がつくった木のオブジェで、生きている木をそのまま使って彫っていたりするので、本物の木にパンダがくらいついている見える。見たい人は、ぜひとも行って見てやって。
 森を拓き、山を削り出して造った遊歩道を中心に、竹林を拓いてイベントができる広場にステージを造り、足湯に五右衛門露天風呂まで造った。とにかく大胆さと器用さを合わせもつヤツなのだ。バイタリティは群を抜いている。

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 オープニング儀式に市長が来るほど町の話題になった。こんな町の人たちへの想いが「アホとも」を市会議員に押し上げたのだろう。
 議員になりたいヤツは世間に腐るほどいると思うし、地元では議員辞職勧告決議まで受けてなお居座る輩もいるが、町の人たちが「ならせたいヤツ」と思ってくれた「アホとも」は、ステキなヤツである。
 議員になる前に話をしたときは、「何にもない過疎・高齢化がどんどん進むこの町に蒸気機関車を復活させて意気を上げたい。どうせなら昔のものを復元するのではなく、新しく造って先々・代々までつなげていきたい。手伝ってや」なんて話をしていたが、先日お祝に駆けつけた時に確かめると、どうも本気のようで、近隣市町村まで巻き込んで実現のために動いていた。
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 それにして、も人の人生ってどうなるか誰にもわからないものだ。だから愉しいのか辛いのか、トータルの差し引きで考えるしかないのだろうが、僕に言えるのは、どんな状況下でも「一生けん命生きることが大事」ということだ。
 では、一生けん命とは何をもってそう言えるかだが、僕は「自分は一生けん命生きている!」と自分に語れ・誇れれば、それに値するのかなと思っている。でも、自分を突き詰めれば曖昧である。
 「アホとも」の声を聞き、姿を見ると、自分もいつの間にか同化してウキウキしてくるが、それはヤツが誰にいつ聞かれても「一生けん命生きてまっせ」「一生けん命やらせてもらってます」と答えられる生き方をしてきたし、しているからだろう。
 とかく人は、自分をさておいて他人のことばかり気にかけるものだが、他人のことをあれこれ言う前に「自分の一生けん命度」を測ってみるとよい。意外に自分の「けん命度」が低いことに気づき、意外に他人の「けん命度」が高いことに気づけるから。
 つまり、現時点で「できているか・できていないか」ではなく、できていようがいまいが、常に追求していく姿勢がとても大事なことで、それが「けん命度の高い姿」のような気がする。
 仕事の中でも、未経験で人生経験さえも短い連中が、有資格・経験者で人生経験の長い連中よりも「この仕事の中で何か劣っているか」といえば、決して比例するわけではなく、どちらにしても「けん命度」が低いほうが取り残されていくだろう。
 「頭でっかち・口だけうるさく・動かない。他人には厳しく・自分にはメチャ甘い。叱ることでしか存在を示せない」
 ある職場の職員さん達から届いたリーダー評だが、これが本当なら、このリーダーからは一生けん命職員の先頭に立って力を尽くす姿は全く見当たらない。きっといろいろ聞けば、言い訳を語り・埃を見せてくるリーダーだろう(実は僕だってそうなってるやもしれないから怖いねぇ)。
 こんなリーダーのいる職場のチームが機能するはずもなく、婆さんの顔色を見て一生けん命取り組もうとする職員は「闘うか・去り」、リーダーの顔色を見て取り組む職員は、堕落したリーダーの色に染まって堕落の道を歩むか、チームを無視して孤軍奮闘=孤立するかしか手はなくなるだろう。
 僕の「アホとも」は、それまでも一生けん命に生きてきてはいたが、自分に対して誇れる生きざまかと自問した時に疑問を感じ、今の自分に向かって数年前にリセットした。
 リセットできた今は自分に誇りをもって生きているだけに怖いものもないのだろう、年齢が増えたにもかかわらず、きらきら輝いている。
 人は変化する生き物であり・変化できる生き物でもある。そんな人の素晴らしい能力をお互いに活かさないのは、もったいない限りだ。
 リセットとは、辞書によると「すべてを基に戻すこと。最初からやり直すこと。また状況を替えるためにいったんすべてを断ち切ること」とある。
 リセットは、人が進化し獲得してきた知恵であり、知恵を使わないのは人の怠慢か退化ではないだろうか。


コメント


和田さん、言いたいことたくさんあるような、いやありすぎるようなコメントですね。和田さんのやってきたことは今僕たち介護者の手本です。自分の失敗をもさらけ出し未来のリーダー達に自ら気づいてもらおうとしているその姿こそ立派です。本当に立派です。


投稿者: ユタ藤本 | 2012年09月19日 13:26

介護職員の面接に行って来ました。もし受かったら、何年ぶりの現場でしょうか…。
「推して知るべし」と、今回の和田さんのブログを三日間、読み返しました。でも色んな「推して」が出てきて「知る」ことは、難しく、まだまだ時間と経験が必要のようです。


投稿者: わたる | 2012年09月20日 00:30

わたるさん
ようこそ、カムバック(*^_^*)♪
私も組織という大きな壁にぶち当たりながら頑張っています(>_<)
応援しています。
共に頑張りましょう!!


投稿者: moto | 2012年09月21日 10:34

motoさん、ありがとうございます(^□^)
とりあえず基本の介助動作を練習してます。

話は変わりますが、面接に行き、担当の方がいらっしゃるまで玄関で待っている間、ご利用者さんとお話できる時間がありました。

季節的にさつまいもや芋づるお話していると、担当の方が来ました。
私が「それでは行ってきます。」と言うと「ここは、ご飯が美味しいよ。食べて行きなさい。明日も来るね?」と言われました。
「この人は面接に来ただけですよ。」と、職員の方が返事をしていました。

私は、一礼して去りました。こんな時どう返事したら良かったのかな…と考えます。


投稿者: わたる | 2012年09月24日 19:29

わたるさんへ
「ありがとうございます!
美味しいご飯が毎日ご一緒に食べられるように面接頑張ってきます!」とガッツポーズでもすれば・・?
なんて、思ったりしました(笑)
結果が出るまでがドキドキですね(^^)
利用者様が、ご自分の利用している施設を外来者に自慢するなんて、素晴らしいですね♪


投稿者: moto | 2012年09月25日 10:29

motoさん、ナイスな返事をありがとうございます。

「嬉しいけど、食べれない。もう婆さまと会えないかも」という自分の気持ちが先行して「美味しいから食べさせたい」ご利用者さんの気持ちへの感謝を忘れてました。「ありがとう」は大切ですね。

介護職に採用されました。喜びながらも、緊張と責任を強く感じつつ、イメージトレーニングしてます。
血圧の再検査は水銀計です。

和田さんへ
色んなお話や意見が聞ける場所(ブログ)をありがとうございます。
月並みの言葉ですが、肌寒い風が吹くようになりましたので、体調崩されないようにお体十分にご自愛下さい。


投稿者: わたる | 2012年09月28日 00:57

わたるさんへ、
ゆったり あるがままの優しさを保って 決して急がず 焦らず 仕事に望んでくださいね。 わたるさんの優しさは 今までのコメントでも伝わってきます。ありがとうございます。


投稿者: マメ | 2012年09月28日 21:01

マメさんへ
コメント、ありがとうごさいますv(^▽^●)
誉められ慣れてないので、マメさんからのコメントを見つけて「うぉ~!!」とびっくりしました(笑)
今度の職場は個浴中心なので、個浴のイメージトレーニングをしてます。
焦らず、ドーンと構えて明るく仕事を頑張ります。


投稿者: わたる | 2012年09月29日 21:10

そう言ってくださると嬉しいです 頑張ろうね(^.^)b


投稿者: マメ | 2012年10月03日 20:42

頑張ります!
コールが鳴ると、先輩と一緒に居室から居室へ元気に急ぎ足で向かってます。


投稿者: わたる | 2012年10月05日 15:42

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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