人として職業人として先の人の使命
みなさんのところに新卒者は入ってきましたか。
新卒者って響きがいいですねぇ。
中学校卒業者・高校卒業者・大学卒業者・専門学校卒業者・中退の人だって立派な新卒者。
つまり社会人「いち年生」ってことですかね。
何にもわからないときってステキやね。
わからないことをわからないままにしない若さって「すばらしいなぁ」ってつくづく思う。
僕のように歳だけ喰らい、先輩面だけは「さんちょまえ」ほどするけど、はつらつとした前向きな姿勢がなくなったらおしまいやな。
わからないことをわからないままにして「聞いていない」「知らなかった」なんて自分の努力の怠りを棚に上げて言い訳がましくなり、「教えてもらっていない」なんて人のせいにすることだけは上手になってしまって、社会人一年生たちを見ていると、口だけ達者な自分が恥ずかしくなるわ。
かつては自分にも、奴らのような溌剌さや自動力があったはずやのにどこにいってしもうたんやろか。ハハハ
よく先輩は偉そうに「教育する」とか「指導する」なんて言うけど、僕らは奴らより時間と場の多さで経験と知識をそれなりに蓄えているに過ぎず、「学び」は対等で、僕はむしろ新卒者から学ぶことのほうが多い。
新卒者からいっぱい吸収したいなと思ってるんやけど、歳をとった分だけずるくなってあかんわ。あと身体も動かへんしな。
振り返れば、僕が新卒者だったのは昭和49年・1974年だからおおよそ40年ほど前の話である。
日本国有鉄道大阪管理局片町線淀川駅に駅務係として配属されたが、当時の写真を見ると、髪型は七三分け、駅員の制服姿にネクタイを結んでいるから可笑しくなる。
その姿は束の間で終わることになるんやけど、それもこれも人目のない貨物しか取り扱わない駅の配属になったからこそで、まさに人は環境によって形成されていくということやね。
またこの業界で飯を食わせてもらっている僕にとって、この業界にきて初めての職場は今の僕の財産・肥やしになっていることを思えば、初めての職場は重大な責任をもっているともいえる。
そう考えると、新卒者がこの先どんな社会人になっていくか、いやもう少し狭義で捉えたとして、どんな介護職になっていくかを占う意味で、初めての職場は重要であり、その自覚を僕ら先輩たちがもたんとあかん。
僕のボスが「履歴書の一番目に書かれる企業としての責任をもとう」と管理者たち(社会人としての先輩)にメッセージを送ったが、その通りや。
入ってきてくれた新卒者たちが「おもしろいで、この仕事。やりがいあるで」って思い語ってくれるようになるかならないかは、ひとえに先輩たちにかかっていると言っても過言やないし、先輩たちひとりひとりの言動は、ひいては介護業界全体の利益=国益に影響してくるとも言えるってことや。
懸命に挑む新卒者たちが、いつまでも「挑み続ける姿勢を失わない専門職」になれるかどうかはこの道の先輩である僕にかかっているし、僕のところの職場の先輩たちにかかっている。
あわせて先輩の背中を見るやろから、虐待を虐待とも思わない先輩たちがいる職場に入れば、おのずとその色に染まっていくか、この世界を捨てることになるかもしれない。いずれにしても国民にとっては不利益なことで、先輩の責任は重大なんである。
こんな風に考えると、先輩って後輩ができるとホント大変なんやけど、僕も先輩たちに大変な思いをさせて今があることを忘れたらあかんということや。世の中は循環してるってことやね。
先輩たちよ!
日本全国で「後輩ができたこと」を大事にしようぜ!
コメント
長女が二十歳になり1月に成人式があったのですが、同級生のコメントで「病院で看護助手をしています」とか「介護の仕事をしたい」などこの業界にすすんでいる子が数人いるのを見て何だか嬉しかったです。この仕事奥深さや楽しさ、やり甲斐などわかってほしいし、虐待などの問題については恥ずかしいものとしてきちんと解決していかなくてはならない思います。
新人を受け入れる「先輩」ってホント責任重大ですね。なりたくて「先輩」になるわけではなくても、後輩が入ってくると「先輩」です。初めて出会う「先輩」、事業所の責任はとても大きいと思います。その新人さんの一生を決めてしまうといっても過言ではないと思います。
「食う、寝る、出す」を仕事として片付けられる人になってしまうか、この世界で数字だけを追っかける人になってしまうか、どんな障害があろうと最後まで「人」として生ききるべく普通の暮らしを応援できる人になれるか、最初に出会った職場、「先輩」によって知らず知らずのうちに染められてしまうと思います。
なりたかろうが、なりたくなかろうが、新人が入ってきたら「先輩」になってしまうのです。大切な人材です。今一度「先輩」としての責任を感じて、後輩に接してみましょう。せめて、「利にならずとも害にはなるな」私もいつも心に言い聞かせています。
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