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和田行男の「婆さんとともに」

へんじょこんじょ

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 小学5年生から新聞配達をしていた影響だと思うが、僕は新聞を読むのが大好き。新聞を読まないと何となく「忘れもの」をしているように感じるほどだ。
 へんじょこんじょとは、先週末に訪ねた長崎五島(写真)の方言で「いろいろ・あれこれ」だそうだが、新聞紙面から拾った「へんじょこんじょ記事」でつぶやいてみる。

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宇宙人同士の交流
 子どもの頃から憧れる「宇宙人」。
 それが実在するかもしれないと想像させるに十分な大ニュースが、夕刊記事(2011年12月6日付中日新聞)に出ていた。
 記事のよるとNASA(米航空宇宙局)が、生命に欠かせない水が液体で存在し得る惑星を観測したというのだ。
 その惑星の地表温度は推定セ氏22度、大きさは地球の2.4倍、太陽よりもやや小さく、温度の低い恒星から適度に離れた軌道を約290日周期で公転しているそうだから、地球そっくりさん。NASAも「地球型惑星の発見に一歩近づいた」と強調しているようだ。
 その惑星は「ケプラー22b」と名づけられたそうだが、僕が死ぬまでに「宇宙人同士の交流が実現しないかな」とワクワクしている。
 早く地球外惑星人に会いたぁーい。

共同生活の可能性
 シェアハウス。
 家族でも恋人でもない他人とのこの共同生活のスタイルが注目されていると報道されていた(2011年12月5日中日新聞)。
 もともと欧米では、収入の少ない若者たちが生活費を安くあげるという必然的・合理的な理由で一般的選択肢として住居をシェア(共用)することが存在していたようだが、日本は住宅事情から普及してこなかったそうだ。
 形態は「グループホーム」そのもので、私的私有空間(プライバシー空間)と共有空間(コミュニティー空間)の構成になっている。僕が子どもの頃に住んでいた共同アパート(6畳一間に小さなキッチン付き・共同便所・風呂なし)も同じようなものだった。
 東日本大震災でもそうだったが、自分ひとりでは生きていけない、家族だけでは支えあって生きられないことを思い知らされた感があるなかで、こうした共同生活のあり様はますます注目されていくような気がしてならない。
 いま注目されているシェアハウスやコレクティブハウスと言われるものは、単に共同生活化で生活費を安く上げるなんて経済効率の話ではなく、時代の変遷とともに失ったものの中に大切なものが秘められていたことへの気づきの反映ではないかと感じている。
 今後は介護保険制度でも「認知症対応型」だけでない「共同生活介護」が創設されてくるだろう。
 ただ僕らの業界で気をつけたいと思うのは「集団生活と共同生活は違う」ことを描いておかないと、ただ人々が集まって住むだけでは「共同の生活の場=住まう場」とは言えず、それは単に「集団で住む処」と化してしまいかねないということだ。
 生活への支援がない「生活の場」や、共同生活への支援がない「共同生活介護」が多いのが残念でならない。

虐待増加
 2011年12月7日付中日新聞の片隅に載っていた重大ニュース。
 高齢者虐待が調査開始以来最多の前年比6.7%増で1万6668件だったそうだ。
 内容別でみると「身体的虐待」63.4%、「心理的虐待」39.0%、「介護放棄(ネグレスト)」25.6%、「経済的虐待」25.5%。
 虐待のあった世帯構成は「未婚の子と同一世帯」37.3%で最多。加害者は「息子」42.6%、「夫」16.9%、「娘」15.6%で男性が多いようだ。
 それも「家事等に不慣れで介護負担が大きいことや、仕事との両立が困難なためではないか」(厚生労働省コメント)というように、個別の個人の問題というより「社会の弱点の表われ」のように思う。
 それに比して僕らが猛省しなければならないのは、介護施設における虐待が26.3%も増えていることだ。
 報告されるようになった結果という捉え方もできるが、通報されている件数だけの数字だから、実態は相当なものになっているのではないかと想像できるだけに「危険な傾向」と捉えるべきだ。
 詳細に分析された数字は出ていなかったが、介護業界にいる僕らは、一にも二にも「虐待は犯罪」だということを肝に銘じてお互いに研鑽していかなければならないし、まずは自分を戒め、同僚たちと共有しなければならない。
 誤解を受けることを覚悟して言えば、家族による虐待は「情状酌量の余地」があったとしても、専門職による虐待は、どんな理由があるにしろ100%許さないという決意が従事者はもとより事業者にも必要だ。
 自社でも繰り返し問いかけていきたい。


コメント


 先週、虐待と不適切ケアの研修に参加してきました。 虐待まではなくとも、確かに不適切ケアはちらついてるかもと思いました。
  講師の方が この研修で「気づければ」と言っていましたが、ホントに気づけて良かった。和田さんの言葉も肝に命じて行きたいです。
 友人から「影で笑わないでください!っていう詩があったでしょ。あれってどこに載ってるの」って問い合わせがあったのですが、和田さんの著書・大逆転の痴呆ケアに書かれている「まだ見ぬ介護者へ」でした。
 ところでそれをどうするのって聞いたら、「新人さんに読ませたいのと利用者さんを見て笑ったスタッフたちにコピー渡してやろうかと思って」だったのです。


投稿者: かなた | 2011年12月17日 09:13

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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