何もない生活相談員
介護保険法による通所系事業には、生活相談員の配置が義務付けられているが、生活相談員の職務は何もない。
職務が何もないのに生活相談員の配置を義務付け、しかも生活相談員の要件を定めているなんて、どうなっているのか。
介護保険制度がスタートした時からずっと言ってきたこの摩訶不思議な人員配置について、介護報酬議論の真っ只中だからこそ問いかけたい。
僕がデイサービスセンターの生活相談員をさせてもらっていた時の生活相談員(少なくとも僕のいたところとその周りでは)は、まさにセンターの「要の職」だった。
行政主管とのやりとり、事業計画の策定・予算編成・総括、職員の労務管理、職員採用面接、家族とのやりとり、住民からの相談、利用者の面談(利用前から利用終了まで)、関係機関との連絡調整などセンターの一切合財のことを切り盛りしていた。
もちろんセンターにはセンター長がいたが、センター長は統括的責任者としての存在であり、運営の中心は生活相談員。
特に東京の場合は名称を「高齢者在宅サービスセンター」とし、老人デイサービスB型やE型(今で言う認知症対応型通所介護)、機能訓練事業(40歳以上の方が利用できる)、食事サービス、短期入所事業(ショートステイ)、相談事業、家族介護者教室事業など、老人福祉法と老人保健法による事業を複合的に提供する地域の拠点としての機能をもって活動していた。
行政はそれを計画的に配備していたが、その考え方は「地域密着型」そのもので、所在する「地域」の保健所・福祉事務所・医療機関・家政婦紹介所など関係者・機関と密接に連携して運営していたので、生活相談員はその地域の顔でもあった。
その生活相談員が今は基準配置されてはいても何も職務がなく、看護介護職と合わせて5:1(3:1)の基準に埋められてしまっている。
例えば15人の通所介護の場合の配置は、管理者、生活相談員、介護職員、看護職員(機能訓練指導員)となっており、生活相談員はサービス提供時間を通して配置されなければならないから、そもそも利用前面接やサービス提供者会議など「外」とのつながりをもたせてはいない。
合わせて数量的にサービス提供の実務に当たらざるを得ない配置数(5:1)に組み込まれているため、利用者と面談したり介護計画を立てたりという職務も想定されていない。
そういったことは運営基準では「管理者の責務」として明記されている。
せっかく生活相談員に特別な要件(社会福祉主事任用資格習得者であることなど)を定めてコストをかけさせ配置を義務付けるのなら、生活相談員の職務を明確にしてはどうか。
他の事業では計画作成は管理者の職務とはなっておらず、専任者を配置することになっていることを考えれば、通所介護計画の作成は生活相談員の職務にして、作成時間とそのコストを担保するというのも一手である。
生活相談員が利用者の窓口として、家族や関係機関とのやりとりを担うのは名称的にもごく自然なことであり、管理者と役割分担をする方が良いし、キャリアパスの考え方に照らしても、従事者のモチベーションは上がるだろう。
介護報酬の切り下げばかり考えるのではなく、実務的・効率的で無駄のないもように人員配置の適正化(再構築)をし、その上でコストを介護報酬で担保するのが介護報酬論議のはずだ。
介護職員と同じ位置づけになっている生活相談員の配置を「もったいない」と考えるなら職務を明確にするべきであり、不要というのなら生活相談員の配置は抹消すべきと考えるが、役人の皆さん、給付分科会委員のみなさん、いかがでしょうか。
追伸
飲み屋で懇親会。ひととおり終わった後みんなで記念写真を撮ろうということに。
Aさんが気を利かして店の方に「シャッター押してもらえないでしょうか」って大きな声で依頼してくれたのだが、Aさんの親しい仲間Bさんが「チャックをおろしてもらえないでしょうかって、どういうことだ」と吠えた。
僕は大爆笑で転びまくったが、これって振動を受けて信号に変換する耳に問題があるのか、解析する脳に問題があるのか、アウトプットに問題があるのか・・・。
いずれにしても、その言葉が出てきた口の持ち主はBさんだから責任をもつしかないわな。
ちなみにBさんの変換の特徴は「何事もエロ事に直結してしまう」であることを知れば「またか」って話なんやけどね。ハハハ
コメント
お邪魔します。
確かに生活相談員に関しては疑問というか、既に誰も気にしていないような気がします。恐らくは、一介護職員としての配置になってしまってるのが現状なのか・・・
追伸以降の記事が個人的にきになりますが、確かに事業所の男どもとのみに行くと、60歳を越えたオヤジですらエロまっしぐらですよ!!
男ではなくオスですね!?
励ましの メッセージありがとうございました。 引っ込み思案でいつもお人好しと言われる私ですが こんな私でも 目の前にいらっしゃる 婆さんズ とお付き合いしていければと 思います。 大きなことはできませんが小さなことからコツコツと 西川きよしさんではありませんが 踏張ってみようと思います。 和田さん コメント下さった栃木の貴女 本当にありがとうございます。
「追伸」以降の下関での懇親会現場でのAさんです。
私は「シャッター・・・」といったつもりが、後ろの方で、「チャック・・・」と言いながら笑い転げてる和田さんを目撃しながら、何の事かわからず、呆然としておりました。なお、その場にいたSセンター21期のBさんとCさんは、日々認知症ケアに励んでいる達人たちです、お二人の名誉のために!
和田さん、みなさん、こんにちは。
マメさんへ
ずっと、マメさんのコメントを読んでいましたよ。ずっと気になってケアさぽの和田さんのページを何べん開いたかわりません。マメさんのコメントを読み嬉くて・・・そんな思いをしていたのは私ばかりではありません。小さなことからコツコツとでいいんです。「幸せは歩いていないだから歩いていくんだよ。一日一歩三日で三歩、三歩進んで二歩下がる、人生はワンツーパンチ汗かぎべそかき歩こうよ。あなたが歩いた足跡は、綺麗な花が咲くでしょう。」私の大好きな歌です。
みんながマメさんを応援してくれています。
私は、社会福祉士が取りたくて大学で勉強をしています。(卒業と同時に社会福祉主事が取得できます)相談業務は本当に大変ですが重要なお仕事だと思います。私にどれほど出来るかわかりませんが、将来的にホームを作りたいのではずす事が出来ない重要な部分だと思っています。生活相談員はとても大切だと思います。
私の勤務ホームでも、生活相談員が家族との話し合いの場をもち、意見交換をしています。今は認知症対応型のディサービスですが、そこで夜のお泊りをおこなってほしいと御家族から意見が出され、現在、検討中です。
生活相談員は、家族との関係を築く上で地域と連携をとっていく上でもとても重要だと思います。その立場をうやむやにしてしまうのはもったいないです。もっと立場を明確にして確立していってほしく思います。
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