災害と不適応
2011年03月21日 16:00
福島県の友人からメールがきた。
福島県のある知的障害のある人たちの施設では地震で建物に損傷を受け、壁に亀裂や段差ができて危険な状態に。そのため避難所に避難したが四日目には戻ったそうだ。
なんでそんな危険なところに戻ったのか。そのわけは…
自閉症の人たちの中には、施設から避難所に移ったことに適応できず、食事も睡眠もとれなくなったそうだ。そこで危険は百も承知だが、戻って支援するしかないというのだ。
しかも「元の場所に戻れば元どおり」とはならず、非常食を出すと「これはごはんじゃない」と言って食べてくれないそうなのだ。
またこの施設は、まだ水が使えないのでトイレで用を足しても水が流せない。そこでバケツに水を汲んで置いておくと、「ここに置くものではない」と言ってトイレから出してしまうそうだ。
「いつもと違う」というのを受け入れることができない状態にある人たちにとって、環境変化による環境不適応状態は当然のことであり、その人たちへの支援は深刻である。
避難場所で婆さんたちは「いつもと違う」ことへの対応ができず、支える職員たちも、場・物・人など「いつもと違う」ことへ苦心していることだろう。
「いつもと同じ」というのはありがたいことだと改めて思えたし、いつも「いつもと同じ」ではなく、ときどきは「いつもと違う」ことを平常時に取り込んでおくことも大事なことだと改めて感じた。
コメント
久しぶりにコメント入れさせて頂きます。自分も岡山にいて何か出来ないか、どうすれば良いのか分からないこの「ふがいない自分」に心だけ悼んでいます。
現地に行っても何も出来ないのではと感じていましたが、今日のNHK福祉ネットワークでの認知症高齢者に対する支援を行っているスタッフを後ろから少しでも援助出来ればと、早速施設職員などと向える様準備したいと考えています。うまく表現出来ませんが、今自分自身なんらかの支援が出来るのではあれば協力したいと考えています。
全国のご支援くださったみなさんへ
今回の震災に際しては、全国の皆さんから迅速かつ今必要な救援物資と「頑張れ、踏ん張れ」という力強い励ましをいただき、本当に、本当にありがたく心から感謝申しあげます。また、皆さんの心をつないで形にして2,000km走り回り、私達に届けてくれた東北関東大震災&福島原子力発電所事故被災者・避難者支援「チーム波女」行動隊の和田、永田コンビにはどう感謝してよいのかわかりません。
福島県は、地震+津波+原発事故で当分自宅に戻れない方もたくさん避難しており、また、屋内退避の地域には、物資も届かず、移動もできない支援が必要な方が多くいます。まだ、大きな余震が続き、原発事故も予断を許さない緊張状態にありますが、私達はこの人たちを支援し続けていきたいと思います。長期戦になりますが、ここからが私たちのたたかいだと思っています。
今回の災害で、仲間のつながりの強さと優しさと温かさをいただきました。本来は、ご支援くださった皆さん一人ひとりに「ありがとう」の気持ちをお伝えしたいのですが、今その術がないため、このブログをお借りします。
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