読眺の一冊
2011年02月07日 10:00
一冊の本がこの世に出た。
その本の名は『認知症の人の歴史を学びませんか』
その本の著者は宮崎和加子さん。
出版社は中央法規。
そしてこの本に絶大な力を寄せた写真の撮影者は田邊順一さんである。
僕がお手伝いをし、僕の仲間が出したから言うわけではないが「この本が広まらないようならこの国は終わりやな」と思えた本だ。
この国で「認知症」に取り組んできた32名の人たちにインタビューをし、どのようなことを経て今があるかを、証言や出来事に基づいて伝えようとしたものだ。
田邊さんはフリーの写真家で、1985年に『老い-貧しき高齢化社会を生きる』(平凡社)で施設に生きる認知症という状態にある人々の生きる姿を世に投げかけたが、その本はすでに絶版。その時の写真がふんだんに使われているのだから、超貴重なヒトコマひとこまである。
僕のような者が言葉で伝えるのはおこがましい。ぜひ手にしていただき、じっくり読んで・眺めてほしい。きっと広めたくなるから。
ちなみに、価格は定価2100円。
この本を「読みたい・眺めたい」と思える介護の専門職が腐るほどいることを願ってやまない。いや、医療職にもどんどん広まってほしいと願うばかりである。
僕が専門学校など教育課程に従事する者ならば、学生には絶対に読ませ・眺めさせる。僕が管理者ならば、職員はもとより利用者・入居者家族にも広める。家族懇談会や運営推進会議で活用するなど、あらゆる機会を通してこの本から「今の介護」に逆に問題を投げかける。いやこうして問題を投げかけているのだ。
いつかこのことで著者の宮崎さん、写真家の田邊さんと語り合う場をつくってみたい。
コメント
ほんの紹介ありがとうございます。早速手に入れたいと思います。
私はごくごく地方に住んでいますのでこういう専門書はなかなか手に入らないのです。amazon経由ですから高くつくのですが・・・。でも、こうして手に入れた本で、失敗したことはありません。全国の仲間と想いを共有でき、初心に帰れるるチャンスです。いい本があったらまた紹介してください。
早速ですが、師匠、
その企画1回は、宮崎和加子さんの故郷山形で、ぜひ、させていただきたいのですが。
10月か、11月ころいかがでしょう?
山○県のitouさんへ
ありがたいお言葉。早々に宮崎さんにお話をしてみますね。時期は10月がありがたいです。
連絡先を中央法規出版に教えておいてください。
想いとか、考えとか、こうしたいとか、いいわけとか、なるべくなるべくそういう余計なものを取り除いて、頭を空っぽにして眺め読みはじめてみています。
※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。