笑える笑えない話
世の中には、つい笑ってしまうが「笑えない話・笑って済ませられない話」というのがある。僕のところにも、深刻で大問題の笑える話がいっぱい飛び込んでくるのでちょっとだけ紹介したい。
リハビリ病院で理学療法を受けている婆さん。理学療法をして動けるように手立てしているにもかかわらず、病室に戻ると動いたら困るからと身体を拘束するというちぐはぐ。それだけでも笑えるのに、その婆さんが退院して自宅に戻ったら、入院中よりもADL(Activities of Daily Livingの略。日常生活動作・日常生活活動)が改善したというからお笑いだ。
そこの理学療法士から聞いた「笑える笑えない話」だが、その理学療法士は国家試験を経て念願かなって理学療法士になり「リハビリ病院」で勤められるようになったにもかかわらず「自分の自分たちの仕事ってなんやろう」って疑問をもちはじめている。
その話をまったく関係のない理学療法士に話すと「疑問をもてているうちが華、疑問さえなくすから」と、これまた笑えない話をされた。
老人保健施設はある期間を過ぎるとお上から施設に支払われるお金が減額され、施設側の収入が減る仕組みになっていた。そのため施設としては減額される前に出してしまいたいということになる。
ところがそんなに簡単に退所後の生活の場を探せるわけもなく、本人はもとより家族も困ってしまう。そこで、ある老人保健施設を運営する法人では、自分たちが民間のマンションを借りてそこへ移り住まわせ、時期がきたら再び老人保健施設に戻すという苦肉の方法をとっていた。
しかも利用料金を低額にしなければ支払い能力の問題で移り住めないので、六畳間に六人が寝るほどの雑居・支援する職員は最低人数にするという悲惨な生活環境。
そこまでなら「ひどい話だけ」ということになるのだが、老人保健施設からそのマンションに移り住むとADLが向上する人が続出し、再び老人保健施設に入所するとADLが低下するという「笑える笑えない話」がオチなのだ。
こんな話はよく言われていることで珍しくもなんともないが、よーく考えると公金の無駄遣いであり、これを国民が知ったら笑いごとでは済まないだろう。にもかかわらず行政マンを含む専門職が平気でいるようなら、いつかは国民に見放されるか、破綻するしかない。いや、すでに破綻していることに気づくべきだ。
こうした実態は現場の人が一番知っていて、現場の人から拾い集めて仕分けが必要で、こんなテイタラクなことをして社会保障費を湯水のように膨れ上がらせ、賄いきれなくなったからと税金を引き上げ、その税金の使い道を特定化する目的税にして何とかしたとしても「無駄遣いの状態にある」ことに変わりはなく、いつかは破綻だ。
破綻とは、お金もそうだが、それに従事する「専門職の専門職たる倫理と熱意」が破綻してしまうということだ。
聞いた時はつい笑ってしまうが、次の瞬間には凍りつくような笑えない話。みんなの周りにあれば、ぜひご披露を。
コメント
あまり外に出なくなった90歳独居の祖父。「たまには外に出なきゃね」って言ったらひどく叱られた。
ヘルパーさん、家族が日替わりで訪問している。最近はデイケアにも通い始めた。
「いつ誰が来るかもしれないのに、出掛けてなんかいられるか!こっちは暇じゃないんだ」と。
現場で「見守り」という職員の介護行為はなかなか評価されませんが、必要とされる手助けを必要なときに必要なだけ行う上で、一番重要だと思います。この介護行為はなかなか外からはわかりにくいので、職員は「サボっている」「年寄りにかまっていない」「入居者を働かせている」など職員は非難されたり、家事をしている入居者に「まあ、お手伝いが出来るの?えらいわね」など心ない声掛けをされたりします。こんな事があると、な~んだかな・・・と苦笑いしてしまいます。
笑い?話その1→認知症で多動の利用者さん、書き物や本など好きそうな物を何も置かないでまっさらのテーブル席…何かしようとして立ち上がるその方に「座ってて!」と後ろから服を掴んで座って頂いてる30代の数年キャリア職員。
笑い?話その2→トイレで便器からこぼしてしまった片麻痺の男性利用者に…「自立支援だ」と言って自分で床を拭かせていた専門学校卒・20代次期課長候補。
私にとっては悲しい話です。
自立支援、自立支援と何とかのひとつ覚えのように繰り返す傍らで、職員には
「Aさんをお風呂に入れて!」
「Bさんをトイレに連れてって!」
「Cさんにご飯食べさせて!」
・・・・主体は誰なの?
随分以前にご縁があった婆ちゃん。
両ひざに強い硬縮があった。諸事情で当時、GHに緊急入所。大型施設から来た。
家族の話では、大型施設入所時は歩いていた。転倒防止で車いす利用となった。車いすから独りで動いて危ないとベルトをつけることになった。そして家族は、施設職員から、本人は意欲なくすべて受身で何もしないと告げられた。
GH入居後すぐ皮膚科受診したら、医師に「こんな風になるまでほっておくとはけしからん。」と叱られた。家族の話ではGH入居前からこの状態とのこと。
大型施設から、本人食べ過ぎるので食事制限と申し送りあった。でも食欲増進の薬を飲んでいた。家族から以前食欲がなかったことがあったと聞いた。GHの協力医にも相談し、薬をやめて食事制限もなしになった。婆ちゃんは元気だった。
しばらくして私たちは気がついた。ひざの硬縮は一般的な車いす座位時の角度。。。
医師に相談しながら少しずつ柔らかくなるよう支援した。
そして一部介助で立位可能となった。
しばらくして、諸事情で婆ちゃんは元の大型施設に戻って行った。
その後の様子は分からなくなってしまった。
私たちは、同じような婆ちゃんや爺ちゃんを私たちで作らないと決心した。
まんまるさん。
>車いすから独りで動いて危ないとベルトをつけることになった。
これじゃあ「どうやって動けって言うんじゃー!」って文句も言いたくなりますよね。
そうなると「暴言が酷くて・・・」ともっと酷い状況にさせられちゃうんだろうな・・・。
3月オープンのグループホームの管理者になぜかなってしまいました。
最近入居される利用者さんのお宅に事前の面接に伺っています。その際、面会はいつでも自由にしていただいて良いですよ、外出も外泊も自由にして下さい。玄関の鍵はかけないので勝手に入って来て下さいね。と説明すると「え~そうなんですか?そんなに自由にさせてもらって良いんですか?」と驚かれます。ご家族の皆さんはグループホームをどんな所だと思われているんでしょうか?
なんだかグループホームが認知されていないな~と感じ情けないやら笑えてしまうよ~な一日でした。
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