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和田行男の「婆さんとともに」

2010年

 今年一年ありがとうございました。
 よきお年をお迎えください。

 2010年がどんな年だったかなんて、ちっとも憶えてはいないが、いつも思うのは「自分にとって良くない年なんてあるんやろか、何があっても人生にとってはいい年でしょ」って。
 僕にとって2010年はあんまり憶えがない年だが、一生懸命思い返すと、あれこれあった年で、人生史に刻みを込める年でした。

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○移り住んだ愛知県で会社を立ち上げました。妻や仲間と一緒に(株)波女(なみのおんな:縦に書くと婆となる)を立ち上げ、名古屋市でグループホーム(小規模多機能型居宅介護併設)事業の公募に挑んだところ、超難関を突破して名古屋市より「採択」の結果通知をクリスマスの日にいただきました。平成23年10月開設を目指して準備していきます。志をもって新たなことに挑む運営をしていきますね。関係者のみなさん、ありがとうございました。これからこそ、よろしくです。

○北海道クルマ旅行を決行。家族みんなで名古屋港から苫小牧、旭川・サロマ・利尻礼文・留萌・函館・苫小牧とぐるっと回って茨城県の大洗に戻り、東京を経て名古屋へ。なかなか家族で一緒に過ごせない日常から脱皮して、思い切って行ってよかったと思える初めての家族水入らずのプライベート旅でした。これも北海道の熱い仲間たちに支えられたからこそです。ありがとうございました(写真)。

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○ブログを集めた第二弾の本を出版していただきました。その名も『認知症開花支援』です。たかがブログ記事を集めただけの本ですが、和田的にはかなり真剣な内容集です。読者がこんなメールを寄せてくださいました。
 「『認知症開花支援』を読みました。自分自身への問いかけをすると心が痛いところも多かったです。たくさんの人たちが和田さんの実践や和田さんの言葉に共感し、和田さんに答えを求めているのだなと思います。理想と実践の隔たりの中で、くじけそうになっているのを、あなたの方向は間違っていないと指し示し、解釈の違いを正そうとされ、また自分を含め、まだまだ発展途上で精進していくべきということを教えてもらったと思います。和田さん、私も研修バカにならないようにと考えています。よい書物や講演を聴いてからの実践が介護の世界を変えていくんですね。自分が出会う人は限られていますが、相手の人がまあるいいい穏やかな気持ちになれるように日々接したいと思います。必要な時には強くならないといけないですね。」
 ありがたいことです。

○連れ合いのお腹に3人目の子どもを授かりました。出産は来年の5月です。1番目が6月、2番目が8月、3番目が5月で、生まれてから6月までの短い期間ですが、2歳・1歳・0歳の年子になります。所属する(株)大起エンゼルヘルプ少子高齢社会対策実践本部長の和田としては誇りです。ハハハ

○我が家での通称「ワゴたん」がお家にやってきました。ヤツは1989年アメリカ生まれ。正式名称は「クライスラー・グランドワゴニア」といいます。馬鹿でかいエンジン(5.9リッター)を積んで豪快に走りますが豪快にバカ食いします。こいつは車屋の店長の愛情をたっぷり受けていたのですが、店じまいの憂き目に合い、涙なくしては語れない物語を経て我が家にくることになりました。大阪まで受け取りに行って無事に愛知県まで連れてこれたのですが、翌日にはクルマ運搬車のお世話になりました。ハハハ。でも、もう大丈夫。ちゃんとしたメンテナンスをすれば快適に走ります。婆さん支援も同じです(写真)。

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○移り住んだ愛知県の知事選挙に友人が出馬することを決めた年になりました。この仕事を通じて知り合った人で、渋谷の東京電力会館でやらせてもらった「トークライブ」に来てもらって一緒に語り合った元キャリア官僚です。これまでも友人・知人が国会議員になったり議員になることはありましたが、都道府県知事は初めてです。激戦を勝ち抜いて、これまでどおり国の将来を見据える力を発揮し、正義感が強く不正や腐敗を許さない姿勢と、“どこにでもいるおっさん感覚”を忘れないまま知事をやってもらいたいものです。

○55歳を無事に迎えられました。世が世で国鉄に勤めていたままなら定年退職の年です。定年どころか益々現役なのが、何となく面白くて…ハハハ。この感覚は僕でないとわかんねぇだろうな。(わかりたくない?)

○酒をやめた年になりました。2月にとある伝説の事件を起こしてしまった引き換えにお酒をやめました。今は自分のボスと一緒の席だけ少しだけ飲んでいますが、ほとんど口にしなくなりました。浴びるほど毎日夜中まで飲んでいた頃がとおーい過去のように思えます。
 今は、ノンアルコールビールというビールを飲んでます。ちなみにこのビール、表示は「0.00%」とありますが、僕の勘では「本当は0.009%」のところを下2桁で切り落とした表示としているだけで「アルコールは入っている!!!」と思う。だって、皆と飲んでいると酔ってくるで。多くの人がそう言ってるもん。
 キリンさん、アサヒさんどうなの?

○皆さんによくしてもらった年でした。連れ合いの両親、僕のボス、同僚、仲間、業者、読者などなど。今年は特に実感する事柄がありました。仲間の妻が若くして亡くなるという悲しい出来事が二件ありました。中学時代の恩師・同級生が亡くなりました。人のつながりというものを考えさせられることが多かった年です。55歳の節目なのかもしれませんね。うちの職員がこんなようなことを言ってくれました。
「社会のことを見据えて生きて行くのが男。目の前のちょめちょめしたことは女の私たちがします。男たるもの、社会に目を向けて、正すべきは正すために闘い、護るべきことや人は護る。それが男なのに、男まで女と同じように目の前のことにとらわれてちょめちょめしているのは情けない」と。

 来年も目の前の婆さんのこと、社会のこと、自分のこと、仲間のこと、いろんなことに目を向けていろんな角度からモノを申させていただきたいと思っています。
 良いお年をお迎え下さい。おやすみなさい。

追伸
 1月28日に名古屋で開催されるセミナーは、おかげさまで満員御礼とあいなったそうです。今から申し込まれると「キャンセル待ち」のようです。


コメント


初めまして新米ヘルパーです。毎回読ませていただき勉強させていただいています。
毎日色んな利用者様と出会い壁にぶち当たりながらも勉強の日々です。

来月のセミナーへ参加させていただきますので、どうぞよろしくお願いします!
ではよいお年を。


投稿者: しーあん | 2010年12月27日 21:41

 2010年 お世話になりました。
 詰まったときの和田語録・・「総理編」には随分助けていただきました。
 何があってもいい年でしょ・・の和田さん、共鳴します!2009年10月,19:08、2匹の犬の散歩中、横断歩道上でバイクに跳ねられ、4日間意識不明。脳挫傷・骨折・くも膜下出血・という去年の暮れでも良い年でしたと2010年を迎えました。私事でごめんなさい。
 ホント、生きていれば良い年であります。
来期、名古屋での事業の展開も、きっと、和田さんらしい報告があるのでは・・と期待しつつ、
 365日休みなし、1月3日のスケジュール作りにスタッフが目の色変えているヘルパーステーションから また来年よろしくお願いいたします。


投稿者: てんマリ | 2010年12月28日 16:29

今年も終わりますね。認知症ケアの壁に当たり、途惑い、自分を見失いそうになるときに、ブログに勇気づけられました。来年も和田さん頑張ってください。私は残念ながら、この年の瀬に来て、ノロウイルスにやられてダウンしています・・・回復したら、また元気に婆さん達と遊びます。


投稿者: よっちゃん | 2010年12月29日 09:51

 たまたま見つけたブログに心動かされた一年でした!この先振り返ったとき「2010もいい年だった」と思えるように歩いてゆきます。いろんな人に事柄に感謝ばかりです。来年もよろしくお願いいたします。


投稿者: すみこ | 2010年12月29日 14:12

何があってもいい年でしょ。我が家もいろいろあったからいい年でした。良き人々に出会えて感謝。婆さんにすてきな時間いただきしあわせ。何か特別な事しなくとも心つながるとお互いしあわせ気分になれるのだと思いました。その逆、特別な事しても心つながらないとた~いへん(^_^;) 来年も婆さんに学び婆さんに還していきたいです。来年も良い年となりますように。 


投稿者: むらさき | 2010年12月31日 22:37

 和田さん、皆さん、新年明けましておめとうご
ざいます。和田さん、昨年はお気遣い有難うございます。今年もブログ楽しみにしています。

 和田さんの新しい場所での御活躍を読み、嬉しく思いながらも羨ましく思い・・・自分の将来を考えてしまいました。私も施設を作りたい。でも愛する人との間に子供を作り育てたい・・・。男だったら良かったのにと思いながらも悩み続けています。とりあえずは、大学を卒業することが先決です。

 話は変わりますが、特養に勤務して2年が過ぎようとしていますが、どうにも納得がいきません。
どうして、お正月に御利用者が家に帰れないのでしょうか?それぞれの御家での事情があるとは思っています。でも、なぜ?ショートにも、こんなに御爺さん御婆さんがいるのでしょう?なぜ、家で、お正月を過ごすことができないのか?私は、御家族を責めているのではありません。でも、なんだか納得がいかないのです。まだまだ、勉強不足です。ご家族の気持ちになれていないです。中途半端ではなく、とことん学んでいこうと思います。


投稿者: 寺内 美枝子 | 2011年01月01日 20:52

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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タイトル:『認知症になる僕たちへ』
著者:和田行男
定価:¥1,470(税込)
発行:中央法規
→ご注文はe-booksから
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