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和田行男の「婆さんとともに」

×旦那

 久しぶりに市民からの介護相談に応じる企画に携わることになりました。すでに進行しているのですが、雑誌とラジオ連動した企画で、連載ものです。

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 ラジオ番組ならびに雑誌は次のとおりです。
ラジオ番組
文化放送 AM1134kHz 毎週日曜日朝8時~8時30分
 番組名は「高齢社会を今こそ考える木内みどりの『満足生活』
 コーナーは「和田さんの明るい介護相談室」です。女優の木内みどりさんがパーソナリティーをされていますので、毎回行くのが楽しみ!
 和田の出番は月1回で、次回以降のオンエアは5月30日、6月27日です。残念ながら首都圏あたりしか受信できないようです。
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雑誌連載
『premie』日経ヘルスプルミエ(日経BP社出版) 月刊誌(毎月20日発行・発売)
明るい介護相談室というコーナーにて連載中
 40代・50代をターゲットにした雑誌です(連れ合いは僕の連載以外の記事をよく読んでいます)。
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 ラジオや雑誌に寄せられた介護相談にまずはラジオでお応えし、それを補う形で雑誌に書くという「聞く・読む」が連動している企画です。
 すでに2回終了し、先日3・4回の収録に行ってきました。雑誌は5月号から連載です(今は6月号が発売中です)。
 僕は、事前に相談事項をいただきますが、読みません(関係者の皆さん、すいません)。当日打ち合わせをする時間に考えるようにしています。非常に短い時間で応えないといけないので工夫が要りますが、和田的にはメチャ好きな一瞬です。
 準備すると考えすぎて、ラジオで使える短い時間(二分ほど)では応えられなくなりそうで怖いんです(いえ、事前準備が面倒なだけです)。
 後から「これ言い忘れたわ」と思うことがあっても、雑誌に書けばいいのですから気は楽です。いわば取り返しがつく企画になっているということです。そうは言っても、大切なキーワードを外すわけにはいきませんが。
 雑誌を読んでいる年代層や番組の企画柄か、介護者でも僕ぐらいの年代(50歳代)の方からの相談が多く、まだ介護認定を受ける前や認知症の診断を受ける前の非常に大事な時期にある身内とかかわっている人たちからの相談が多いのが特徴ですが、その中でとても気になることがあります。
 それは「旦那=息子」の存在です。
 相談者は嫁が圧倒的ですが、多くの場合、旦那=息子(本人から見れば)に打ち明けていないし、打ち明けようともせず、嫁がひとりで思い悩んでいるようです。
 21世紀に入り10年を経過し、戦後生まれの介護者が中心ですが、それでも介護は嫁だけの問題になっている・されているのではないかと思えることに驚きます。
 何でいまだに親の面倒をみるときに、あれこれのことを嫁だけが抱え込んでしまうのか。もっとも身近にいるはずの、しかも直径の肉親であるはずの息子=旦那に相談できないのかと、嫁=妻の側からアクションを起こせない理由について、ものすごい興味をもちます。
 あわせて、旦那の側も妻に対して「ありがとう」とか「父母はどうだい」とか、妻の両親への関わりについて何らかの意思表示があってもよさそうなものですが、相談を聞いていると、旦那側からのアプローチもないところに、介護相談発生の要因が見え隠れします。
 同時に、なぜ旦那から妻に対してアクションを起こさないのかも興味をもちます。
 より掘り下げてみないとわかりませんが、介護相談の根っこには「介護で困っているから相談」となったのではなく、もともとの家族関係(この場合、ほとんど夫婦関係かな)が「介護相談」を発生させているのではないかと思ってしまいます。
 つまり介護のことだけではなく、これまで子どものことなんかでも相談相手として旦那が機能していなかったことの延長に、親の介護でも旦那には相談をもちかけないという図式になっているのかなと思うのです。
 この「何でやろ」は、ぜひ追求してみたいと思いますので、期待して待っていてください(和田が忘れたらごめんなさい)。

 かくいう自分も旦那の身です。
 何事も身近にいる連れ合いや子どもたちからみて相談相手として機能できるように発信し続けることの努力を怠ったらあかんなと、介護相談に応じていて思うしだいです。
 けあサポ仲間の男性諸君!
 特に外向けに仕事をしがちなあなた!
 外だけでカッコ決めるのではなく、内に必要としてくれている人がいることを忘れないようにしないとね。内とは「家」だけやなくて「職場」にも同じことが言えるでしょうから、そこんとこもよろしく。
 和田も諸君にあなたに投げかけながら、自らも肝に銘じて取り組みます。相談相手にならない「抜旦那」にされないように。ハイ。


コメント


和田さん、皆さん、こんばんは。

 私は意識していませんでしたが、和田さんに気に入られるコメントを書きたいと思っていたと最近知り、大変反省しています。

 それでは、本題に入りますが、なぜ認知症が増えているのか、高齢化により介護を必要とされている人が増えているのか、ある人の言葉を読み・・そうだよなぁ~、そうかもしれないなぁ~と思いました。それは、阿南 慈子さんです。まだ、阿南さんの事をあまり知りませんが、私なりに考えたのは私たちがコミュニケーション不足だからではないでしょうか?
 今回の和田さんのブログ内容を読み悲しく感じました。どうして、奥様が旦那さんに相談できないのでしょう???それも旦那さんの親のことなのに・・・。夫婦間もコミュニケーション不足、家族間もコミュニケーション不足、それを解決するために、みんなで一致団結していくために物事が起きているのではないでしょうか?そして、御爺さん・御婆さんもコミュニケーション不足の為に認知症を近づけている気さえします。自分の考えが合っているとは思いませんが、なんだか・・・これでいいのだろうかと問われている気がします。
 それと、今・・・ますぞえ要一さんが気になっています。まだまだ、勉強不足ではありますが、国会議員の総数を減らすことや国会議員のお給料を下げることを言われていたからです。(もし、間違っていたらごめんなさい。)歳をとったからって仕事をしない(させない)でいる人に何か出来る仕事は、何か良いアイディアはないだろうかと思いますが、今まで頑張って働いてきた人が歳をとったからって貧しい暮らしをするのも何か違う気がします。だからといってお給料の半分を税金にとられてしまって、老後は安定した暮らしというのも考えてしまいます。
 日本を変えたい・・・御爺さん・御婆さん・私達のの未来を変えたい・・どうにかしたい想いでいっぱいです。


投稿者: 寺内 美枝子 | 2010年05月04日 20:16

 和田さんこんにちは。
 私は都内の病院で看護師をしています。
 以前和田さんの講演を聞き、ほんとに目からうろこが落ちたように、認知症の方々の見る目が変わったことをスタッフに話したところ、当院での認知症の勉強会に、是非和田さんを呼びたいとの声があがり、ダメもとで連絡さしあげました。

 看護・介護スタッフ30人程の小さな病院です。
 お忙しいのは十分理解しておりますが、興味を持っていただけたらうれしいです。


投稿者: 瀧川 | 2010年05月06日 13:42

 お久しぶりです。今回のコメントすごく悩んだんですが、奥さんが旦那さんに親のことで相談できないってその家庭でいろいろ違うんかなと思います。
 私の所も去年8月に義母が認知症だと言う事が分かりました。幸い私がいろんな施設がある法人に勤めていたのでケアマネも早く頼むことができ、手続きもスムーズに行き、今デイサービスに週5日通っています。
 短期記憶障害を持っているので昼何をしたかは覚えてはいないのですが楽しかった事は覚えています。やさしい職員や利用者に囲まれ過ごす、もうそれでいいのかなとも思っています。
 ただ認知症だと分かった時に義父はショックだったと思います、それと同じことが息子である旦那さんにもあるんじゃないかと思います。認知症じゃない?と伝えた時の旦那さんの反応が奥さんは怖いのかなとも思います。
 ごめんなさいね寺内さん、義母が認知症になった私のとこもコミュニケーション不足でしょうか?
 認知症が何の原因でなるかご存知ですか? 認知症の家族を自宅でも世話することがどんだけ大変か分かりますか?
 私は義母が認知症になったおかげで今の職場で介護の専門職と呼ばれるようになれるよう一歩近づいたように思うのです。利用者に優しくでき少しでも気持ちが分かるようにできるのも義母のおかげなんです。


投稿者: みっちゃん | 2010年05月08日 08:17

 私は今ケアマネをしています。
 家で介護をするって、ほんとに大変で、喜怒哀楽の「怒」「哀」の割合が半分以上を占める精神状態になっている家族(旦那さん、お嫁さんに限らず支えている人は皆さん)は少なくありません。これまで沢山の会話や関わりを持ってきた家族ほど、「哀」が大きくなる場合もあります。
 認知症は精神的にも肉体的にも大変です。24時間一緒にいる家族の大変さが、施設でたかが8時間勤務している私には、わかっていなかった、わかっているつもりだった事を、実感しています。
 ガンの緩和ケアではありませんが、苦痛を取り除くことは大切。苦痛が軽い内に、家族と本人の心地好い場所や時間を見つけたり、作ったりしたい…。
 うまく言えませんが。
 家族内で相談できなくても、外に相談できる人が沢山いたり、場所があることも大事なんだなぁって思ってます。


投稿者: かゆし | 2010年05月09日 13:39

 今日初めて生和田さんを拝見しました。ついでに一緒に写真を撮らせていただきました。ありがとうございました。
 私の町に、地域に方に元気になってもらいたいという想いから裏山を崩し健康作りゾーンを開拓された方(松本さんとおっしゃいます)がいます。そのオープニングにいらっしゃいました。
 そこで認知症についてお話をされたのですが、インパクトのあるお話でしたね(私なんかが言うのもおこがましいですが・・・)定年でいったん退職したばかりですが、これからは地域でお役に立ちたいと思っています。
 認知症にならないようにと、怖がっていないで、なっても大丈夫、という近所の関係作りをしていこうと月1回、我が家でお年寄りの方たち(12人)とおしゃべりすることを始めたばかりです。だから、今日のお話はとても元気つけられました。続けていけそうです。ありがとうございました。


投稿者: シマシマ | 2010年05月09日 15:18

 和田さん、済みませんが、ブログをお借りいたします。

 認知症は、医学的にみれば多種多様な問題が絡み合ってなられていると思います。
 私も祖父が認知症でしたが、私は小学6年生で知識がなく、それでも何とか祖父の身になりたいと思っていましたが、大したことも出来ずに亡くなりました。
 私は認知症をお持ちの家庭も物凄く大変だと思っていますが、それは認知症に限らず全て介護される方の御家は大変だと思っています。私は、まだまだその御家の方の身にはなれていません。
 私の伝えたかったことは、それぞれの家々の問題から始まって、今の日本の様々なあり方に対してまでも、私が知る限りでさえ沢山の問題があると思っています。その家でのコミュニケーションに焦点を当ててしまって誠に申し訳ないのですが、何かを変えなければならないと問われている気がしてならないのです。
 御家でのご家族の方の沢山の努力は本当に素晴らしいものがあると思っています。しかしながら、物事が起こる上で、そこには必ず何か意味があるのではないかと思っているのです。それを伝えたかったのです。何かを変えなければならない・・。その為に物事が起こっているような気がしてならないのです。


投稿者: 寺内 美枝子 | 2010年05月09日 22:43

瀧川さんへ

 中央法規出版社のブログ担当者にご連絡をくだされば、和田につながります(本コメント欄に連絡先をご記入ください。非公開にしますので、ご安心を)。
 電波の関係でブログがまたまた1日遅れになります。ホントに申し訳ない。


投稿者: わだゆきお | 2010年05月10日 18:30

 暑かったり寒かったり、体調管理が大変です。
 男の方の多くが、弱みをみせることや素直に感謝を伝えることが苦手のように感じます。
 もう寿命が来ると分かっていた爺さん約2名。奥さんに直接「ありがとう」と言おうよと説得したが、最期まで言わなかった。そのうち1名の爺さんは、逝く前日も奥さんのおけつをなでていた。その景色は素敵だったが。。。
 数年前から担当の婆ちゃんの息子は、いつも無表情で要件を淡々としゃべるのみ。1年位前から縁がある行政の担当の兄ちゃんも似た感じ。二人ともイケメン。笑うと絶対いい感じ。
 裏ケアプランは、長男さんと兄ちゃんを会った時には笑わせること。気心しれたチームメンバーも参加してきた。2人とも笑うようになったではないか。やればできる、まんまるもチームメンバーも、長男さんも行政にいちゃんも。チームメンバーから、「ちょっとあんた変ってる。」と言われたけれど。裏ケアプラン、評価の結果、一応目標達成です。
 家族には家族にしか分からない歴史があります。私にもあります。
 男性の方々、照れずに大事な人には大事と伝えましょう。
 そういう私はまだ独り者で気ままに生きています。


投稿者: まんまる | 2010年05月10日 20:55

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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発行:中央法規
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