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和田行男の「婆さんとともに」

新しい公共・等

 ある市で結成されている「仲間の集い」に招かれた。
 うらやましくもアリ、頼もしくもあり、未来を感じさせる、それこそ「新しい公共」ではないかと感じた。

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 僕が知っているだけでも、この町に限らず全国各地に同類の「集まり」がある。
 共通しているのは「自主」「多職種」「混法人」「ほぼ同一行政管内」「男女年齢役職経歴出身地容姿無関係入会可能」といったところか。
 先日招いてくれたところも、3年ほど前に、ある研修会に参加した数人が話の内容に響き「おれらも自分らの町でなんかやろか」と集まりだしたのがスタートで、そのときから3年、重ねた勉強会は15回を数え、関係構築飲み会は数え切れないほどの活動を展開しているそうだ。
 公民館など公共施設を借りるために「会」とし代表者を決めたものの、実質的にはみんなが横並びの関係で動かしている。
 僕が見た感じでは、代表者は「声がでかい」「いっぱしのことを言う」「話がうまい」「誰かと一緒に歌いたがるおせっかい」「人のよさがにじみ出ている容姿」だけで代表になっていたように思う(ハハハ、ごめんね)。
 肩書き、経験年数、法人のでかさ、資格の有無など、どうでもいいことで代表者を決めているような会とはまったく違って「おおらか」なのだ。まぁ、言い方を換えると「いい加減」ということになるが、「いい・加減」なので居心地のよさがある(僕が感じただけなのかもしれないが)。
 線引きはあってないようだが、いわゆる世話人さんが25名くらいいる。
 世話人さんたちが所属する法人は、行政・社会福祉協議会・医療法人・社会福祉法人・NPO・有限会社などが混じり、職種は訪問介護・訪問看護・福祉用具・特養・グループホーム・認知症デイ&デイ、居宅介護支援事業など。資格は、保健師・看護師・社会福祉士・介護福祉士・住環境コーディネーター・ヘルパー・介護支援専門員と介護保険事業をほぼ網羅した陣容が揃っている。しかも経営者も会に入っている。年齢も幅広く感じた(聞かなかったので印象としてだが)が、中心は30代のようだ。
 こんなことをしていて地位や名誉がくっついていくるはずもなく、お金は減ることはあっても増えることはまずないだろう、身体を酷使して仕事を追えた後の活動であるから、身体に余裕があるわけでもないだろうに、それでも「集まる」のは、なんでか。
 職場がおもろくないから、職場に仲間と思える人間関係がないからなどといった理由もあるだろうが、僕は「志」のようなものを感じた。「変えていきたい」とか「築いていきたい」という、「たい=欲」をもっている人たちにとって力を発揮できる場になっているのではないかと。
 同じようなことを僕自身が所属している事業者団体の仲間たちにも感じているし、自分の会社の職員にも感じている。
 民主党が「新しい公共」を掲げ、それに呼応するかのように1月29日に「新しい公共をつくる市民キャビネット」が設立された(共同代表 福嶋浩彦中央学院大学社会システム研究所教授、兼間道子市民福祉団体全国協議会代表理事ら3人)。
 市民の政治参加による市民参加型社会の実現を目指すそうだが、こうした「仲間の集い」も「新しい公共」と呼べると考えるし、こうした会が、その町にとって必要な資源を行政に市民に提案する・産み出すところまで力をもつことを、僕は期待している。
 このブログを読んでくれた人で「集まり」に出かけている人がいたら「何で自分は集まろうとするのか」を教えて欲しい。

[ご案内]
地域社会の中で生き生きと暮らせるように
~グループホームの未来に向けて~

日時■3月10日 11時30分受付 12時30分~16:00
場所■星陵会館(東京都千代田区永田町2-16-2 地下鉄「永田町」駅下車)
定員■400名 
参加費■1500円

■プログラム
○グループホーム「こうありたい像」の提起~実態調査より~
○地域で認知症の人を支えるために~三道県の実践に学ぶ~
・北海道(人材育成の新たな試み)
・群馬(地域社会にサポーターを増やす)
・福岡(生き生きとした姿を取り戻す)
○シンポジウム
~グループホームの未来に向けて~
・シンポジスト
 社団法人「認知症の人と家族の会」代表理事 高見国生氏
 NHKアナウンサー 町永俊雄氏
 厚生労働省認知症・虐待防止対策推進室 室長補佐 田仲教泰氏
 全国グループホーム団体連合会代表世話人 和田行男氏
・コーディネーター   
地域ケア研究所所長 蓬田隆子氏

■申し込み方法
FAX・メールにてお申し込み下さい
参加費の支払いは当日会場にて

全国グループホーム団体連合会事務局
 担当 中村・坂本
電話 0297-63-0572
ファックス
  0297-63-0573
メール
  info@zenkokughren.com

【FAX・メールに記載する内容】
☆氏名
*複数の場合は全員の名前をお願いします
☆住所
*複数の場合は代表者のみでOK
☆連絡先
*複数の場合は代表者のみでOK
☆事業所名ならびに所属団体名
*個人の方は不要です


コメント


 そういえば、何で集まるんでしょうね。僕らの街にも幾つかの「集まり」があります。
 消えてしまったもの、消えつつあるものもありますが。お酒が必ずついてくる(つけている)ので、そのためにと言うことも。でも、それだけではないですよね。
 職場には、そりゃ不平不満はありますが、それはどこも一緒かなと。職場にも仲間はいますが、街にはもっとたくさんの仲間がいます。そのことを知って、そのことを活かして、少しでも目指す地点に近づけるように、集まるんですかね。お前等と一緒の職場だと絶対に事業所が崩壊するとか言い合いながら、婆さんの話をするのは何故なんでしょうか? また、土曜日に「集まり」が…。


投稿者: ICHI | 2010年02月16日 16:32

 そうなんです、土曜日よろしくお願いします。利用者の心はゆれています。職員もそのゆれに沿っているんだと思います。ゆれを受け止めるには小さな枠では収まりません。大きな枠が必要だと思います。受け止めるには仲間の力が必要なんです。


投稿者: がん | 2010年02月17日 23:00

 和田さん、皆さん、こんばんは。

 みなさん、仲間作りが進んでいらっしゃるようで羨ましい限りです。私は、会社の中で仲間作りを励んでいます。
 前に和田さんのお話にありました、椅子は移動手段だということ、みんなで話し合いました。そして、一人の方が車椅子から椅子に変わりました。他には、ベットで歯磨きをすることを先輩方と話し合い車椅子からベットに移る前に歯磨きをするようになりました。
 少しずつではありますが、先輩方と打ち解けているように思えます。一人では支援はできない・・・。

PS☆銅メダルに輝いた高橋大輔選手、みなさん、見られていましたか?4回転ジャンプは失敗しましたが、チャレンジする姿に夢と勇気をもらいました。かっこよかったです。先輩方と夢中で見ていました。チャレンジするって素敵ですね・・・。


投稿者: 寺内 美枝子 | 2010年02月19日 21:15

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。東京都地域密着型サービス事業者連絡協議会代表としても活躍。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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