相談つづき
「つながった!」
と驚きながらも大喜びする声が電話越しに耳に飛び込んできた。
「和田さん、どうしたらいいでしょうか」
電話してきたのは、あるグループホームを利用しているご家族だ。
「あらお久しぶり、どないしたん」
宴の席にかかってきたのだが、電話の相手に緊張感を感じたので酔いもふっとんだ。
「急ぎでご相談したいことがあるのですが」
かなり親しい方であり、運よくその方の住んでいる地域に居合わせていたのと、緊急度も高そうだったこともあり、宴の席を後にして会うことにした。
「お金が足りなくなったの」
開口一番の言葉でピンときた。
父親が病死したのち母娘二人で生きてきたが、母親が認知症に。自分が面倒みると自分の生活がままならなくなるため、やむなくグループホームへ入居させた。
もともとは母親への思いが非常に強く、できるものなら自分が24時間365日面倒を見てやりたいと願っていたが、そういう親への思いを応援する国の仕組みがないため、思いはあっても経済的にもたないため諦め、施設入所を考えた。
せめて「どこでもいいから入所させたい」ではなく「自分の目で確かめてできるだけいいところへ入れてやりたい」と勉強して何か所も見て回って、あるグループホームに決めた。
ところがそこに入所させるためには、今よりも給与の高いところで働いて収入を上げないと届かない。その人は転職をしてまで母親をそこに入所させることを決めたのだ。
それで何とか5年以上しのいできたが、こんな時代に入り、預金を切り崩しながら何とかしのいできたものの、とうとうお金が回らなくなり、支払いが滞るほどの状況に追い込まれたというのだ。
問題はここからである。知人を介して地域の実情を聞くと打つ手がないのだ。
毎月の「支払える額」に合った介護施設といえば、そこよりも費用負担が少ないグループホーム、特別養護老人ホームぐらいしかないのだ。
あいにく入所したグループホームが頑張ってくれたため、入所当初よりも状態は改善し要介護度も上がっておらず、特別養護老人ホームに入るにはハードルが高過ぎる。
費用負担が少ないグループホームはあるが、地域密着型サービスで保険者に縛られるため入れるグループホームが少ないのだ。かといって自宅に戻すこともできない。
介護保険制度って国民の幸せのためにあるはずなのに…
居宅生活を支えているケアマネが「お手上げ」になるのはもっともで、「必要に応じて」「自己選択」できるはずだった介護保険だが、選択肢がなさすぎるのだ。
次の介護保険制度改正で、そのあたりが改善されるように期待したいし、そのために尽力したい。
自費出版
友人が自費出版した。自分の思いを、しこたま書き貯め込んでいたようで、それをまとめて出版したので紹介したい。
「新たな創造」
時にはあなたの知識と経験が
新たな創造を邪魔する事もある
「全ての存在」
他人があってこそ
自己を確認できる
全ての存在が大切なのです
「知恵」
あなたの周りには
人生を豊かに生きる
知恵が溢れている
本は「魂からのメッセージ ~今日のインスピレーション~」と題されており、友人の日々湧き上がってきた言葉で全編綴られている。
友人は大学を卒業後、結婚式場や焼き鳥やなどを経て、特養へ転職。
その後「認知症の状態にある方々を支援するのが転職」と志し、グループホームや認知症のデイなど介護保険事業を経営するようになった仲間でもある。
興味関心のある方は下記まで問い合わせてみてください。
【問い合わせ先】
〒049-5332
北海道虻田郡豊浦町字大岸112番地4
TEL:0142-21-1680
E-mail owl0907@aioros.ocn.ne.jp
宮崎直人
コメント
和田さん、こんにちは。
いつもお世話になっております。宮崎直人さんの「魂からのメッセージ ~今日のインスピレーション~」を購入したくPC・携帯よりメールを送信しましたが、送信エラーで戻ってきてしまいます。直接電話するのも初対面の方なのでためらわれるし、みなさんは、送信できているのでしょうか?
なんか 悲しくなりますね。一生懸命生きてるのに一人を支えられないなんて、、。
昨年末ちよっと かなり 良い話。私の母のおさななじみ 幼少期は兄弟も多く苦労、結婚後職人のご主人とこつこつ今を築きお金に困らない暮らし。時々お手伝い頼まれる母が身内の忘年会に呼ばれた席でのこと、一人だけ使っている職人さんに帰りがけ、「こうして出てこられるのも奥さんのお陰、これはかあちゃんに渡すんだよ!」と御こずかいを渡していたそう。一人を、ひとりの家族を大切にする 今なかなかなさそう、、。
そういえば介護休暇ってとれているんでしょうか?
皆さんへ
宮崎直人さんへのアドレスですが、オー・ダブル・エル(owl アウル)@・・です。イチではないのでご注意を!
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