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辻川泰史の「介護事業所運営のコツ、教えます」

優秀なスタッフとは?

 事業所には、事務的な業務、対外的な業務、利用者への対応など、業務全体についてリーダーシップをもち、中心的に行うことのできるスタッフがいます。経営者として、また他の同僚からみても頼りになります。そういったスタッフは事業所の財産です。

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 しかし、その人がいないと回らないという状況になることもあります。そうなると、本当に優秀なスタッフといえるのかと考える視点も大切です。
 上司の仕事の一つには、人材を育成することがあります。育成の方法は、上司自身の方法、方針もあります。同時に、指導を受けるスタッフの年齢、性格、経験などによっても変わります。
 人に指導していくことは、ときにはもどかしいものです。何度伝えてもなかなか伝わらず、結局教えて理解してもらうよりも、自分で行ったほうが早いという状況もあります。その結果、できる人にはなりますが、人は育ちません。
 むしろ、遠慮や申し訳ない気持ちが増します。無意識に本人は「忙しい」「大変」と思う反面、自信をもちます。
 本当に優秀なスタッフの定義は難しいですが、考え方の一つに「人を認めて人に機会を提供すること」があると感じます。
 私自身、起業した当初は、介護に関して(無意識に)スタッフと張り合っていました。しかしそれでは、自分以上のスタッフは育ちません。それよりも「認める」「機会を用意する」「我慢する」ことに徹するようにしました。
 最初は、少しもどかしく、口出しをしたくなります。しかし、スタッフの自信向上のためには我慢です。そうしているうちに、自分の型とは違うスタッフの型がみえたりします。また、広い視野になるので、客観的なアドバイス、違う側面からのとらえ方ができます。
 それを伝えていくことで、スタッフの気づきにもつながります。
 一人で抱えてこなすスタッフを優秀と評価するのではなく、人に振り分けることのできるスタッフが優秀だと思います。自分一人で業務を行うのではなく、協力していく姿勢にもつながるでしょう。


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プロフィール
辻川 泰史
(つじかわ やすし)
1978年東京都生まれ。98年、日本福祉教育専門学校卒業。老人ホーム、在宅介護会社勤務を経 て2002年、(有)はっぴーライフを設立(05年に株式会社化)。08年、(株)エイチエルを設立。現在、コンサルティ ング、講演、セミナーなどでも活躍中。
著書に『福祉の仕事を人生に活かす!』(中央法規、2009年)がある。
はっぴーライフHP
http://www.hl-tokyo.com/
対談ムービー http://www.youtube.com/user/
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