事業開始11年
私は、2003年の6月6日に法人を設立し、同年9月1日から訪問介護と居宅介護支援事業を始めました。当時は、マンションの一室を事業所としてスタートしました。
開業前に地域のケアマネジャーへの挨拶と営業は行っていたので、開業とともに訪問介護の利用者様が1名いました。
当時は、9時に朝礼を行い、9時30分からのサービスに訪問介護のスタッフを送り出していました。ケアマネジャーとは在宅介護支援センター、市役所などを挨拶回りしました。昼には訪問介護のスタッフも帰社しました。その日の業務日誌、申し送りも、1名の利用者なのですぐに終わります。終業時間まで5時間はありました。
空き情報を作って各事業所に配布していました。他に営業に回ることもありませんでしたので、何をしようかと考えることが悩みでした。
「仕事がないから」と、スタッフを帰らせるわけにもいきませんし、かといって、介護技術の練習ばかりするわけにもいきません。ひたすら新規の申し込みを待つことしかできませんでした。
雑談も大事ですが、それが当たり前になると、仲良し倶楽部のような事業所になってしまいます。だからといって、張りつめた場にしてしまうと、私もスタッフも疲れてしまいます。
近隣の在宅介護支援センターには週1回程度顔を出しました。当時は訪問介護の事業所が少なく、開業後に新規の依頼が来るようになりました。1名の常勤スタッフのシフトを一週間埋めることができた時には安心したものです。
セミナーの受講生やクライアントから、訪問介護のシフトの調整が大変という話を耳にします。利用者が少なくて大変なのではなく、新規の利用者が増えてヘルパーの調整が大変という相談があります。これはとてもぜいたくな悩みだと、自分の経験を伝えます。
利用者が少なくて行う業務がないよりも、利用者のニーズが多くて大変なほうが幸せです。創業期のメンバーはそういった経験をするので理解してくれますが、組織ができ上がった状態での引き継ぎでは理解しがたいのが現状です。
事業所は利用者に利用してもらうことによって成り立ちます。このことに感謝すると、調整は大変なものの、仕事が楽しくなります。
9月1日は自分自身の経験を思い出す日です。
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