コスト意識をもつ
去る4月13日、岩手県でセミナーを開催しました。今回のブログでは、当日の内容の一部をお伝えします。
今回のセミナーは、久しぶりに経営者以外の人が多いセミナーでした。私は参加者に「自分自身のサービスの介護報酬は安いのか」「自分の行っている介護の仕事の給付単位は把握しているか」と質問しました。しかし、把握している人はほとんどいませんでした。
これは介護業界全体でも同様であり、同じように、自分自身の提供するサービスの値段を把握していないことが多くあります。これが「介護給付が安いから給与が上がらない」という意見が出ている一因でもあります。
例えば、デイサービス(7-9算定)において、要介護2の利用者が1回利用する際の単位は951単位(約1万円)です。
世の中には、1日1万円のサービスはそれほど多くありません。東京ディズニーランドは1日のパスポートが6200円、人気温泉旅館は1泊2食付(平日)1万500円、居酒屋の飲み放題が3000円前後、フェイシャルエステ6000円と、他業種と比べても高いと思います。
それでは、なぜ利益が出ずにスタッフに還元されないのでしょうか。その要因はさまざまですが、その一つに売上概念の意識が低いことが挙げられます。
・法人の問題―スタッフに利益構造、費用対効果の説明をしていない
・スタッフの問題―自己の売上意識がなく、無駄に人件費をかけるように提案する
介護事業は人員配置基準があります。かかるコストで一番大きいのは人件費です。組織の存続と繁栄のためには利益は必要で、そのためには経費を節約することが重要です。
介護事業では、設備投資等よりも人件費が大きな比重を占めます。いかに人件費を抑えながらも、サービスの質を向上させていくかで利益率は変わります。
コスト意識をもつことは、法人の利益につながるきっかけになり、スタッフの給与の昇給のきっかけにもなります。
【お知らせ】
元気です岩手!介護フォーラム2013
日時:2013年5月11日
内容:「基調講演」神田昌典先生、「パネルディスカッション」諏訪茂樹先生、小濱道博先生他、「特別講演」志茂田景樹先生
詳細:
http://1go1a.com/seminar/130413.html
※岩手県在住の方のみ参加可能です。
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