旬の果物
デイサービスでは、おやつに旬の季節の果物などを出すことがあります。皆さんの事業所や施設でも、単に出すだけではなく、ゼリーにしたり盛り付け方法にこだわったりするなど、工夫をしていることでしょう。
見落としてしまいがちなのが、果物の効用などの産地、効用、栄養素などをあわせて伝えていくことです。利尿作用のあるものはなるべく分量を抑える。トイレの回数が近い利用者には、早めにお出しするなどの配慮も必要です。
産地では、単に「○○地方のものです」というだけではなく、なぜその地域でその果物の味がよいのか、産地になったのかという雑学も交えることで、楽しみも広がることでしょう。
何気なく出す旬の果物やおやつですが、そこにどのようなストーリーがあるのかをあせて伝えることで、味わいもよりいっそう深まります。同時に、果物の雑学や知識を利用者に尋ねることで、利用者自身の内面にあるものを発信する機会にもなります。
11月のこの時期は、柿が旬です。旬の時期の柿について、私たちは来年も味わうことが可能です。しかし利用者のなかには、人生最後の旬の柿になる可能性もあります。ですから、機械的に出すのではなく、そこに意味を見出すことが利用者のためにもなるでしょう。
毎日こだわるものができればよいですが、「おやつ週間」など毎月期間を設けて準備をしていくことで、継続することも可能になります。その繰り返しによって、利用者の満足、喜びにつながり、スタッフの仕事のやりがいにもなるでしょう。
食は生きていく上で最も楽しみなことの一つです。単に出すだけではなく、楽しみながら味わうことのできる環境、工夫を行っていくことが大切です。
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