デイサービスの今後
現在、デイサービスは全国で3万事業所を超え、数の上ではコンビニエンスストアに匹敵するほど増加しています。皆さんも、朝の送迎時、デイサービスの送迎車両が頻繁に走っているのを目にすることでしょう。
数の上では飽和状態となっていますが、サービスとの特色やコンセプトの打ち出し方、周知に関しては未成熟な状況でもあります。
デイサービスの対象となる人は、要支援・要介護認定を受けた高齢者です。多くのデイサービスは、すべての要支援・要介護認定の利用者に対して、自社のサービスを訴求しようとしています。そういった姿勢は当社でももっていますが、ここまでデイサービスの事業所数が増加してくると、サービスを提供する対象者の要介護度などの焦点を絞ってサービスを提供していくことが求められてくると感じます。
たとえば、要支援2の利用者と要介護5の利用者に同じサービスは提供しづらいのが現状です。軽度の利用者にサービスを合わせると、重度の利用者にはこなせません。逆に、重度の利用者にサービスを合わせると、軽度の利用者には物足りなく感じる時もあり、クレームにつながったり、利用の中止になることもあります。
自社のマンパワーや理念を見つめなおし、どの介護度にサービスを訴求するかを本格的に考えていくことが必要な時代になりつつあります。
コンビニエンスストアを例にとると、Aコンビニはお弁当に力を入れている。Bコンビニはコンサートチケットが手軽に買える。Cコンビニはスイーツがおいしいなど、同じ商品を扱う中にも、独自の工夫を加えて顧客に訴求しています。
デイサービス業界も同様で、Aデイサービスは機能訓練が特徴で軽度の利用者に特化している。Bデイサービスは入浴に特化して重度の利用者を対象としているなど、大手やフランチャイズだけでなく、地元密着の事業所についても特徴をもった運営が求められてくるのではないでしょうか。
お知らせ
7月10日に、私の3冊目の著書『図解 デイサービス開業と経営実践ガイド』が出版されました。
出版を記念して、出版記念セミナーを8月24日に開催します。詳細は下記URLをご覧ください。
http://tsujikawayasushi.com/seminar/120824.html
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