価値観の相違
去る6月23日土曜日に、社内の管理者研修を行いました。講師は東京女子医科大学の諏訪茂樹准教授に担当していただきました。諏訪先生には毎年、管理者研修の講師をお願いしています。
今回の講座は、価値観の相違、相性に関してです。業務の中でスタッフ同士、上司と部下の関係、または家族との関係の中で、「なぜ、わかってくれないのか?」「なぜ、伝わらないのか?」ということが多くあります。その際、「反抗的だ」「やる気がない」「批判的だ」ととらえてしまうこともあります。
しかし実際には、相手にそういった意識はなく、相互にもどかしい関係や心情になってしまうことがあります。そういった際に、諏訪先生が講義で伝えたワークは大変有効だと実感しました。
このワークは、「権力」「健康」「学歴」「愛情」「名誉」「金銭」「誠実」という価値観に順位を付けます。そして、相手にも同じ項目に順位を付けてもらい、自分の順位との差を確認します。
そのことによって相手の価値観と自分の価値観との相違を把握することが容易になるのです。
今回の項目をアレンジし、業務上の優先事項や家庭での家族の関係などに試してみることで、より良い関係が築けると感じました。
ワークを行う上では、「よい・悪い」「好き・嫌い」「正しい・間違い」などの批判を一切せずに、相手の考えに対して傾聴していくことがポイントです。
スタッフの感想は、あまり面識のないスタッフ同士、新人スタッフとの関係の構築などの際にはとても有効で、相手のことをより深く知ることができて理解しやすくなるため、今後に活かしていきたいとのことでした。
相手のことを知ろうとする際には、面談で話をすることも重要ですが、時にはワーク的な方法も活用していくことも必要だと感じました。
コメント
早々にご紹介していただき、ありがとうございました。職場の理念はスタッフ間で共有しなければなりません。しかし、仕事を離れた私的な価値観まで、同じであることを求めるのは無理があり、むしろ多様性を受け入れる方が豊かになるでしょう。利用者の受容ともつながるかかわり方です。拙書『対人援助とコミュニケーション 第2版』の80頁をご参照ください。
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