業務の細分化のひと工夫
多くの中小の介護事業所では、人材も資金も限られているために、常勤の介護スタッフが管理者を兼ねていることが多くあります。毎月のサービス提供票のチェックやケアマネジャーへの報告、国保連への伝送作業、事業所によっては非常勤スタッフの給与計算まで行っている場合もあります。特に毎月下旬から国保連への伝送期限の10日までは、業務に追われるといった状況が多くみられます。
どの業態でも、1か月の業務サイクルの中で多忙な時期があります。しかし介護の仕事は、サービスを提供する利用者は要介護、要支援の方です。日々状況が変化する中で、少しでも利用者にとって快適なサービスを提供したいという気持ちがあります。
その中で介護業務以外の業務があることが負担に感じてしまう時もあります。そうした事務的な業務を行ってくれる専門スタッフを入れてほしいという希望を多くの職員がもっています。
中小の介護事業所、特に訪問介護では登録ヘルパーが20名前後、小規模デイサービスの場合は、売り上げの上限が250万円から300万円ほどになり、諸経費を考えると、事務員の給与を捻出することは難しく、常勤の事務員を採用した場合、介護スタッフへの給与の還元が少なくなります。
現場でがんばっても給与に還元されにくい一因は、こういった人件費の比率が大きいこともあります。介護スタッフがすべての事務業務を行うことは困難で、現場の仕事以外を効率的に行う工夫が必要です。そのための一つの方法を紹介します。
まずは、業務内容をポストイットに書きます。1枚のポストイットにつき1つの項目を書き、それを週間、月間、日ごとの業務に分けていきます。そのポストイットに、時間を記入します。
この作業をすることで、どの業務をいつ行うか、どれくらいの時間を要するかが明確になってきます。頭の中では理解していることでも、実際に見える状態にすることで「いっぱい、いっぱい」という状況が整理できます。
業務を書き出し「見える化」することで、効率のよい業務の遂行にもつながります。
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