効果的な申し送り
新規の利用者へのサービスの際、申し送りはとても重要です。「どのような疾病があるのか」「家族構成は」「要介護度は」、さらに性格や好みなど、個人ファイルの書式だけでなく、実際にサービス担当者会議に出席した担当者から口頭による申し送りが必要な時もあります。
申し送りは文字ではニュアンスが伝わりにくいので、口頭で聞くことも必要です。しかし、小規模の介護事業所は申し送りを満足に行うことができない場合もあります。少ない人員で運営していることが多いため、時間をかけた申し送りができないのです。さらに、他の業務が重なるため、個人ファイルに詳細に記述できないことも、理由として挙げられます。
文字による解釈は、書き手の意図が読み手に正確に伝わらないこともあります。ですから申し送りでは、声の強弱や訴えで、重要な箇所を意識することもあります。理想的には文字と会話により申し送りですが、人員的に困難なので、文書での申し送りになってしまいます。
そういった際は、ICレコーダーを使用した申し送りをする方法もあります。数千円で購入でき、USB型のものであれば、直接パソコンに取り込むことができます。録音方法も簡単なので、補足の申し送りはICレコーダーを活用することで可能になります。何度も聞いて確認することができるので、活用の仕方によっては時間の節約にもなります。
話すことによって、伝える側も再確認になることが付加価値としてあります。そういった便利な機材を活用した申し送りも考慮していくことで、業務の効率化につながるでしょう。しかし、突発的に欠勤が出たり、追加のサービスの希望があった際、十分な申し送りができないままサービスに入らざるを得ないこともあります。その際、申し送りが不足しているからサービスがうまくいかないという現場の人がいます。
確かにそういった面もありますが、常勤のスタッフであればそうはいっていられません。当社でもそういった事態になった時、特に新人スタッフに伝えることがあります(もちろん、重要なことや基本的な情報は伝えて、個人ファイルに記載してあります)。
「新規の利用者様、または初回サービスの人だと考えてほしい。申し送りを受ける側ではなく、申し送りをする側という気持ちをもってほしい」
このように伝えることで、スタッフ自身の視点が変わります。小規模事業所は人員的な余裕はないのが現状です。個々が申し送りを受けるだけの姿勢ではなく、自分が申し送りを行う姿勢をもつことで、新たな気づきにもつながります。
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