給与について
先日、ある事業所の経営者と話をしていたところ、給与の話になりました。
求職者との面接では、希望する給与の額や、今までの給与の額を伺う事はあります。
「今、いくらもらっているの?」と聞くと、「月給○○万円位」との答えがあったそうです。
この年齢で、資格を持っているのであればもう少し高くても良いのではないか?と、知人の経営者は疑問を持ちました。
そして、話を聞いていく内に、月に支払われている給与ではなく、社会保険料、年金を控除された金額、つまり手取りの額を給与と認識していることがわかったとのことでした。
これは、この求職者の方が特段変わり者だったのではないと思います。介護業界にはこういった認識の方が少なくありません。
総支給で見ずに、手取りの給与で見ているので、実際に総支給はいくらなのか?という事を正しく認識していない場合が多くあります。
経営者の方は、一度、自社のスタッフに、「今、自分の給与がいくらか知っているか?」という事を尋ねてみても良いかもしれません。
意外と手取りで答える方が多くいます。
会社は、「法定福利費」として、社会保険料の半額を負担しています。
当然ながら、スタッフが多ければ多い程、法定福利費の負担は増します。
それは会社としての義務ですが、会社がそういった支出もしているのだという事を、スタッフに認識してもらう必要があります。細かな事ですが、採用時にそういった説明をしておくことが重要だと思います。
経営者にとっての常識でも、スタッフは認識していない場合があるのです。
控除された金額のみを自分の給与と認識した場合、スタッフ個々の事業所経営への意識は、経営者とはズレが生じてしまうでしょう。
よく介護事業所は経費意識が低いと言われますが、まずは自己の給与の事をしっかりと認識するような社内教育を行う事が、事業所全体の経費意識の向上につながるのではないかと思います。
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