利用者が事業者を育てる
起業された方や新たに何か始めた時、どんな仕事でも一番最初のお客さまが来てくれるまでが大変です。
事業を立ち上げたまではよいけれど、利用してくれる方はいるのだろうか? 私にもそういった不安が強くありました。自分の仕事を信頼して、お金を支払ってくださること。多くの事業所がある中で、自分が開設した事業所を選択してくれるのだろうか? どうすれば選んでくれるのだろうか?
9年前の9月、開設して10日ほど経った頃、S元さまからサービスの依頼がありました。事業所の近くに自宅があったことから連絡があったのです。
契約調査に伺うと「若いわね。大丈夫なの?」と不安そうな奥さまの横で、ご主人が「若いからいいいんだよ、お願いね」と言ってくださいました。
初めてのお客さまがほめてくれたことで、私も自信がつき、この言葉から勇気をもらいました。
「若くて不安だから駄目だ、できたばかりの事業所だから信頼できない」と言われていたら、自信を失っていたことでしょう。利用者の言葉があったからこそ、意欲が沸いてきたのです。
サービスを利用する時、利用者は少なからず不安があります。その不安を取り除き、信頼を得ることがどれほど大切かを実感しました。
この利用者は先日、99歳で亡くなりました。約9年間当社のサービスを利用してくだxったのです。
初めての契約、初めての記録、初めての請求業務、初めて作成した個人ファイル。個人ファイルを入れる棚にはこの利用者だけだったんのが、次第に利用者が増えていきました。
新規の利用者がなく、自身を失いかけた時でも、彼女が喜んでくれると思い、奮起できたのです。
別れはとても寂しいです。今頃、天国のご主人と一緒に、好きだった高校野球の話でもしているのでしょうか? 本当にありがとうございました。
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