労働力人口と外国人介護士を考える
以前、厚生労働省の試算で、現在の勢いのまま人口減少が進んだ場合、労働力人口(15歳以上の就業者と求職者の合計)は2030年以降急速に落ち込み、2050年には4471万人に減少するというデータを目にしたことがあります。
政府の雇用対策への取り組みが功を奏し、高齢男性や女性の就労が順調に進んだ場合でも、労働力人口は約4870万人になる見込みで、労働力人口の減少は避けられない状況にあります。
以前は男子高や女子高だった学校も、少子高齢化を見越して男女共学にしたり、普通学科のみでなく、特色のある学科等を設けている傾向があります。
労働人口の減少は、各業界に大きな打撃を与えることになることは避けられないでしょう。特に高齢化社会を支える医療・介護業界は、現在でも人材の確保が困難ですが、今後はより大きな経営課題となります。そうなると、労働力を外国人に頼らざる得ない状況になります。
現在でも、インドネシアやフィリピンから介護士候補として日本の介護現場で頑張っている人がすくなからずいます。東日本大震災いよる原発事故で不安の中、「日本を助けたい」と、フィリピンから60名が来日しました。インドネシアから来日されている人は、祖国の家族から帰国するように言われても「スマトラの恩返し」として残り、退避勧告を拒否して「病院では毎日仕事の後、日本語を教えてもらうなど、みんな優しかった。日本が困っている今、少しでも力になりたい」と言う人もいます(詳細は下記のブログに記載)。
http://ameblo.jp/eichi-eru/entry-10949268124.html
http://ameblo.jp/eichi-eru/entry-10844896974.html
今後は、こうした海外から介護現場に来る人が気持よく働ける環境の整備も必要になります。加えて、介護現場で外国人をマネジメントできる人材の育成、業務の意味をしっかりと説明できるなど、受け入れ側の体制が大切です。
当社でもフィリピン人の女性スタッフが6月に入社しました。ご主人が日本人で、日本での生活も10年ほどになります。人柄は明るく、一生懸命です。しかし、言葉の細かいニュアンスや記録の方法など、詳細に説明して確認しなくてはならない時もあります。
介護は利用者個々の歴史に触れる仕事、文化の継承でもあります。その意味も含めて、外国にも「志事」という概念を伝えていくことが利用者を大切にすることにつながるのではないでしょうか。
コメント
これからは増々高齢者が増えて来ます。現在ヘルパーさんが足りないので外国人の介護人を育成して行きたいですね。安心して利用者の方もサービスが受けられるようにしたいですね。
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