一所懸命
介護事業を行う法人は、地域に根差し、密着して貢献するというミッションをもっています。介護保険制度が施行されて10年が経過し、その間多くの民間企業が参入しました。当社もその一つです。特に訪問介護、デイサービスの事業への参入が多くあります。
中でもここ数年は、デイサービスへの参入が活発です。当社の関連会社エイチエルにも、毎月多くのデイサービス開業の相談があります。
相談を受けると、私は「どの地域で開業するのですか?」と尋ねます。
大体は、開業したい地域を決めていて、地元や思い入れのある地域での開業を目標としています。しかし、中には物件次第でどこでもいいというスタンスの人もいます。
確かに物件、デイサービスの開業の立地条件も大切ですが、他の事業と異なり、売上の9割が介護保険から給付されます。
事業性も大切です。事業性を無視して経営することに意味がありません。しかし、事業性や売上だけを追う事業でもないと感じます。
どこの地域で開業したいかということで、事業への思い入れがある程度わかります。
「自分が生まれ育った地域だから、そこの高齢者へ恩返ししたい」など、事業への想いの軸をしっかりもつべきでしょう。
他業種であれば「売上が減ったから撤退する」ことも可能です。しかし、数人でも利用する高齢者がいれば、利用する側にとっては大切な場になります。ですから、安易に撤退することはできません。
高齢化社会を見越した他業種からの参入は、介護業界の活性化や進展には必要です。介護という仕事は売上という概念が低く、問題ではありますが、売上だけでは割り切れない状況もあります。
地域に密着し、そして貢献する。不況の影響で、介護事業への関心が高まっています。地域に良い介護サービスを提供し、雇用を創出して発展していく。一所懸命の気持ちが大切だと思います。一所懸命は、中世の武士が先祖伝来の所領を命懸けで守ったことに由来しています。介護事業を行う上では大切なことですね。
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