介護保険事業所の意義
最近、デイサービスの開業が増えています。ワムネットの情報によると、デイサービスの事業所数は平成23年1月末で2万8160事業所あり、同年2月末で2万8364事業所となっています。わずか1か月で204事業所も増加していることになります。
当然、事業性や将来性を見越しての考えでしょう。事業を継続するため、事業性を熟考するのは必要なことです。
しかし、今回のような天災などの緊急時に、どれだけ責任をまっとうしようとする意識をもつことができるかが大切です。
津波に遭った宮城県女川町のデイサービスセンターの記事を目にしました。
8日間、家族が迎えに来ず、利用者の安全を確保し、現在も数名の利用者が家族の迎えを待っているといいます。デイサービスの職員も自分の家族と一緒に過ごしたい、休息したいことでしょう。
このように介護保険事業所は、他の業種とは異なった責任が求められます。飲食店であれば、震災等で営業が困難な状況になった際は客に帰ってもらったり、予約をキャンセルしてもらうことができます。しかし介護保険事業は、事業所側の都合で利用者に帰宅を要請し、無理を押し通すことができません。家族と連絡がとれない場合は数日間、利用者の安全を守り、責任をもつ必要があります。
デイサービスを開設するにあたり、責任をまっとうすることの大切さを教えられました。デイサービス事業に参入する人は、今回の地震についてしっかりと考え、一度サービスを利用いただいた利用者への責任を最期までもつ気持ちで参入してほしいものです。
震災などの時にどう対応するのか。事業主は利用者のことだけでなく、職員やその家族への対応など、幅広く考えることが求められてきます。今回の震災の影響では、未だ孤軍奮闘されている人が大勢います。報道されていない事業所や施設もたくさんあります。そういった細かな情報を発信し、被災地の同業界の仲間のサポートになることをしていきたいと思います。
介護事業は想いを軸にし、経営の視点をもつバランスさが大切です。
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