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辻川泰史の「介護事業所運営のコツ、教えます」

被災された方々を思って

 3月13日の夜、お茶を買いにコンビニに行きました。過度な買い占めなのか? 停電の影響なのか? 飲料はありますが、食べ物がジャム以外は何も売っていませんでした。
異常な光景のように感じられました。

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 そんな中、年配の女性が歩行器を押しながら買い物に来ていました。すると、ダンボールを整理していた店員(若い男性で金髪・ロン毛・ピアス)が、「何か捜しているものありますか?」と、立ち作業をしていたにもかかわらず、膝をついて話しかけていました。
 女性を目的の商品の場所までていねいに誘導し、家の住所まで聞いていました。私にもこのやりとりは聞こえました。
 コンビニからは歩いて5分と聞くと、すかさず「店長! このお婆ちゃん、買い物終わったら送っていっていいっすか?」と、今どきの若者口調で聞いていました。店長も「頼む、気をつけてけよ!」と応えました。
 介護の勉強をしているわけではなさそうな店員を見て、人はその人のことを真剣に考えると、自然と話す姿勢も変わるものなんだと実感しました。
 介護の現場では、利用者と会話する際は上から話しかけないと指導を受けます。しかし、その人のためにと深く思った時、人は自然とそうなるものだとを教えられました。
 コンビニ、駅員、介護施設の夜勤、巡回型訪問介護など、震災があれば家族と一緒に過ごしたい気持ち、個人の事情を優先したかったと思いますが、自らの仕事に責任をもって従事しています。本当に感謝です。
 当社のスタッフも、満員電車で早朝から出社し、業務を行ってくれました。ありがとうございます。
 一人ひとりの仕事の役割や立場は異なりますが、自分の仕事を志事としていく姿勢を見て、心が高ぶります!
 一つ残念なことは、あるデイサービス(社会福祉法人)が、震災の影響で数日間休むとのこと(台風のときにも休む法人があります)。スタッフの通勤の問題はあるのでしょうが、中小の民間よりは環境に恵まれていることが多くあります。多くの社会福祉法人はそうではありませんが、これが民間で仕事に使命感をもっていたら、果たして休めるのでしょうか。コンビニの若い店員でさえ、バイトを休まずに自らの仕事に責任感をもっています。
 介護の仕事としての責任感とは何か? 多くの責任がある仕事です。特に在宅介護サービスは、独居の利用者の不安解消、食事の確保など、深く考える義務があります。こういったことも介護業界の問題の一つだと実感しました。
 今回の震災で被災された方々のことを思うと胸が苦しいです。少しでも被害が少ないことを願っています。
 以前、当社で勤務し、今は実家のある岩手県大槌町に住んでいるスタッフと連絡が取れていません。無事を祈ってます。


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プロフィール
辻川 泰史
(つじかわ やすし)
1978年東京都生まれ。98年、日本福祉教育専門学校卒業。老人ホーム、在宅介護会社勤務を経 て2002年、(有)はっぴーライフを設立(05年に株式会社化)。08年、(株)エイチエルを設立。現在、コンサルティ ング、講演、セミナーなどでも活躍中。
著書に『福祉の仕事を人生に活かす!』(中央法規、2009年)がある。
はっぴーライフHP
http://www.hl-tokyo.com/
対談ムービー http://www.youtube.com/user/
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