送迎の目的とは
デイサービスに欠かせない仕事の一つとして送迎があります。介護予防の利用者を中心としたデイサービスでは、自己通所(利用者が自分でデイサービスに来所する)方針を打ち出している事業所もありますが、多くの事業所では送迎での対応をしています。この送迎をどうするか?で、1日の仕事のオペレーションが変わります。
仮に送迎が遅くなると、利用者に迷惑がかかることももちろんですが、スタッフの勤務時間も長くなります。送迎が30分遅れると、減算で算定することになる可能性もあります。算定だけではなく、サービスの予定やプログラムの変更など、大きな問題になります。
ですから送迎は、円滑に行うことが必要です。といって、送迎コストはあまりかけたくないものです。
私のクライアントで、送迎コストに月間40万円かけていた法人がありました。これでは、どんなに稼働率が高くても利益は出にくいものです。
なぜ40万円もかけていたかというと、その法人ではタクシー会社に送迎を委託していたのです。確かに、運転のプロであるタクシー会社に依頼することで、送迎の安全性は高められるメリットがあります。しかし、車内での突発時に、介護の知識や経験が少ない運転手では対応できないこともあります。また送迎は、単に送り迎えするだけではありません。
送迎担当のスタッフが、利用者の自宅まで送迎に行きます。少しの時間ですが、家の様子や家族の様子などを確認する安否確認もできます。
その様子をサービス担当者会議で報告したり、すぐに報告が必要であれば、担当のケアマネジャーなどに連絡することができます。こういった視点は、スタッフの器量、観察力にもよります。事業所としても、そうした視点をもてる指導が必要です。その積み重ねがスタッフの能力を向上させ、ケアマネジャーの信頼につながります。また、何より利用者のためになります。
現在では送迎可算がなくなり、事業所負担は大きくなりました。そのため、法人で円滑な送迎方法を構築する必要があります。
同じルールと費用で、どう工夫して収益を上げ、スタッフに還元していくのか…。法人の代表者だけでなく、社員も含めて考えていくことで、その事業所に合った方法が構築できます。
工夫1=自社で行う
工夫2=観察力を強化する
工夫3=送迎車両は利用者10名につき1台(都心部。地方の場合は2台)。地域によっては送迎範囲が広いので、違う方法を考えましょう。
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