デイサービスの運営 食事編
たまに「稼働率はそこそこあるのに利益が出ない、どうしたらよいか」という相談がデイサービスからあります。
当然ですが原因は多種多様です。その中で多いのが、初期投資をかけすぎているために返済額が大きいということです。
初期投資をかけすぎてしまうことが多いのが「厨房」「車両」「浴室」の3つです。どれもデイサービスにとって欠かせないものです。今週のブログでは、そのなかの「厨房」の設備投資について書きます。
厨房機器は値段も高く、設備を整えるために費用がかさみます。
食事は利用者が楽しみにしているものです。独居の利用者であれば、自宅でバランスのある食事をすることが困難な場合があります。デイサービスの利用目的でも「食事の確保」というのが多くあります。「おいしいものを提供し、喜んでいただきたい」と思うのは当然です。といって材料費が高くなってしまい、調理要員の人件費がかかると毎月のコストがかかります。厨房設備にこだわりすぎて毎月のランニングにのしかかっている場合もあります。
また、食事のメニューも考えなくてはいけないなど、小規模のデイサービスほどこの「食事」にこだわることが難しくなります。
デイサービスのコンセプトを「食事」にするのであればそれもよいと思いますが、どこかでコスト削減の調整をする必要があります。特に定員が20名以下のデイサービスの場合は、調理要員の人件費は毎月重くのしかかります。
利用者をおもてなしするものなので、言葉は適切ではありませんがが「ケチる」わけにもいきません。といってお金をかけすぎてもよいわけではありません。
そもそもデイサービスは上限の決まった事業であり、報酬も全国一律です。そのなかで法人独自の工夫で良質なサービスを提供し利益を出して、スタッフに還元しなくてはいけません。
これからデイサービスを開業しようと考えている人は、食事の提供をどうするかを考えてシミュレーションすることが必要です。
工夫の一つとして、食事をアウトソーシングすることが考えられます。高齢者の配食業者と提携するのも一つの方法です。月ごとのランチメニュー、カロリー計算もしてくれる業者もあります。さらに、地域の弁当屋と連携することも選択肢の一つです。
稼働率は上がっているのに給与に還元されないというデイサービスに勤めている人もいるでしょう。その事業所では、もしかしたら厨房機器や食費をかけすぎているのかもしれません。広い視点で考えることが大切です。
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