ITと介護業界
現在はインターネットの環境が整い、多くの人が利用しています。しかし、介護業界は非常に遅れているという印象があります。
他業種、たとえば住宅販売や中古車販売などは、自社サイトに力を入れていないと事業が成り立たなくなっています。
インターネットが普及するまでは、売り手が情報量を多くもっていました。住宅販売では「他の物件はどうか?」、中古車にしても「他の店ではもっと安く売っているのではないか? 他に選択肢はないか? その店の評判はどうか? 適正な価格か?」など、そういった疑問を買い手がもっていても、その情報を得ることは困難でした。
しかしインターネットの普及で、それが逆転してきました。
口コミ情報を確認し、他社の価格、サービスを確認することが容易にできるようになりました。その情報も、信頼性の低い情報ではなく、むしろ顧客の視点から見ると的確だったりします。売り手市場から買い手市場に移行した部分もあると思います。
翻って、介護業界で考えてみるとどうでしょうか?
買い手である利用者は、サービスの選択をします。しかしその多くは、担当のケアマネジャーが薦めたから、知人が利用しているから、家が近くだからといった理由で選択していると思います。
措置制度から保険制度に移行し10年が経ちますが、その図式はあまり変化していません。しかし今後、数年で変化が生じてくると思います。利用者自身がサービスの情報を求めてくることもありますが、利用者の家族がインターネットを使用して情報を得たいと考えてくるでしょう。
しかし現状では、更新されていないホームページや休止状態のブログが多く、利用者のほしい情報が得られる状況が整っているとはいえません。
介護サービスを提供している法人の多くは、「利用者のために良いサービスを提供したい」という思いを共有しています。利用者のためにも、法人の取り組みの一つとして情報を発信していくことが大切だと思います。
介護事業所の営業はケアマネジャーに対してが基本です。介護のプロとして、ケアマネジャーのフィルターを通してサービスを提案し、それに伴い事業所の選択も提案するのは必要です。
インターネットでの情報発信が営業の基本になる時代が来る可能性もあります。2011年は、現在よりもITが進化してくると思います。そういったITというものを意識していくことも大切な年になるでしょう。
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