デイサービスのM&A
先週、2件ほど「デイサービスを売りたいから買ってほしい」「買いたい方を探してほしい」という相談がありました。
月に2件程度の業務委譲、M&Aの相談というのはよくある話ですが、週に2件という相談は初めてのことです。
彼らが業務を委譲したい理由は「経営者が高齢になってきた」ためです。介護保険制度が施行され、現場出身で介護への想いが強く起業された人が多くいます。地域にもよりますが、ケアマネジャー兼社長、介護職兼社長というように、プレイングマネージャーとして活躍されている人が多いです。
自分が健康の時はいいのですすが、健康面の不調などで事業の継続が困難になる場合があります。しかし、すぐに辞めるわけにはいきません。守勢の難しさだと思います。
デイサービスの形態も多様化してきました。「想い」だけの運営では成り立たなくなってきたのではないでしょうか。
仮に今、自分の勤めている法人の代表者が突然変わったら、皆さんはどうしますか?(嬉しい人もいるかもしれませんが)。場合によっては、職を失う可能性もあるかもしれません。利用者と離れてしまったり、同僚と離れてしまうことになるかもしれません。そうならないためにも、立場に関係なく考えていくことが必要です。
私は、介護事業所をすでに運営されている場合の事業譲渡、買収には慎重です。金額にもよりますが、たとえ売上が上がっていたとしても、働く職員やサービス方針に大きな相違があると、現在運営している法人に影響が出ます。プラスとマイナスを考えて、プラスの要因が圧倒的に多くならないと意味がありません。
これから介護の業界に新規に参入したい、起業したい人にとっても「あり」でしょう。初月から売り上げの見通しが立っているのは大きなプラスです。あとは自己の想い、方針をどのように落とし込んでいくかです。
経営者は日頃から、後任を育てる取り組みも行っていく必要があります。そのためには、介護技術や知識の向上の研修だけでなく、管理者としての育成にも力を入れる必要があります。
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