利用者の人生から学ぶこと!
思い返してみると、会社を設立し8年が過ぎ、デイサービス事業を始めておよそ7年です。
1週間の営業で利用者ゼロという曜日もあり、軌道に乗せるまでに2年近くかかりました。この2年間はとても辛かったです。資金なし、人材不足、社内体制不足など…すべてが不足した状態でした。
しかし、この2年間があったからこそ成長できたと感じています。この時期が私を成長させてくれたと実感しています。
私はつらい時に必ず思い出す利用者がいます。皆さんにも、想い出深い利用者はいるでしょう。私は21歳の時に出会った利用者にとても教えられました。
その利用者は大正元年生まれの男性です。名前を聞けば知っている人も多い、有名な哲学者です。
その方は私をとても可愛がってくださり、いろいろな話をしてくださいました。
研究費がなく、家を売却したこと、子どもの貯金を使ってしまったこと、学界から批判を受けて、居場所を失ったこと、同じ研究者との言い争いで憎んだこと、自分の研究結果を盗まれてしまったこと……。
そういった体験を話してくださった後に、私にこう尋ねました。
「こんな人生をどう思う?」
私は「つらい思いをされることが多く大変でしたね!」と言いました。
その利用者はこう言いました。
「その時はもうどうにも嫌だったし、逃げたかったよ! だけど、こう振り返ってみると懐かしいね! いい思い出だよ! あんなに憎かったと思う人でも、もう1回会ってみたいなと思う! つらいことも、仕事に真剣だったからつらい思いができたんだよね。年をとると人と衝突することもなくなるし、喧嘩もできない。もう1回、食事もできないくらい悩みたいな!」
正直、そういった心境になれるのか? その時はそう感じていました。私も30歳を過ぎ、わずかですが少し分かるような気がします。
1年、1か月を思い返すと、成長のきっかけになることは悩みや課題にあったような気がします。最初にデイサービスの運営がうまくいかなったから、営業体制を真剣に考えました。
営業をしっかりと行うために、サービス内容を見直しました。サービス内容を見直すうちに、日々のオペレーションの改善を行うことができました。人材の必要性を感じ、ホームページの活用を始めました。スタッフを支えるために、自己学習に力を入れました。
こう考えると、すべてつながっていると感じます。現在悩んでいることが、成長のきっかけにつながるのかと思うと、前向きになれますね。
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