経費を抑えるコツとは……!?
当然のことですが、介護保険の事業は限られた財源です。全国どこに行っても、介護報酬と人員配置(地域によって若干の差はある)は同一です。
ということは、同じフィールドで同じ条件であるといえます。そのなかで、いかに独自性を出していき、工夫していくかによって、サービスに差が生じます。
経営者として、管理者として、同じ条件で事業を行うなかで、どういった結果を出すのかが大切です。
デイサービスで経費を抑える
デイサービスの様子
デイサービスを運営する場合に生じる経費の多くは、・賃料・人件費・車両費・光熱費・設備、改築費等などです。まずはこれらの経費を抑える工夫を考えましょう。
その1 人件費
「人手が足りない」と人員配置以上に過度に増やしていくと、一人当たりの職員に配分できる金額が少なくなります。そこで、日常業務のオペレーションの見直しを行います。休憩時間のとり方、入浴の順序、プログラムの時間など……。たとえば、スタッフが重複して休憩に入っている場合があると思います。その場合、15分でもずらして入ることで、フロアの人員の幅ができます。入浴に関しては、個別対応か機械浴かによって多少違いますが、入浴介助に時間がかかる利用者を後にまわすなど、順序を入れ替えるだけでも効率性が変わってきます。
その2 車両費
職員が安全に利用者を送迎するためには、「安いから」と粗悪な車両を導入することはできません。そこで、送迎コスト下げるための改善を提案します。
私の事業所では、ハイエースでの送迎が中心だったところを、シエンタ、ラクティスという車両に変更しました。ハイエースは運転者、同乗者の職員2名で利用者8名の送迎になります。シエンタであれば、運転者1名で利用者5名を送迎できます。余った1名は別車両で送迎に行くことができたり、事務作業など別の業務を行うことができます。
注意すべき点としては、送迎時間に配置基準の人員がとられてしまわないことです。細かい業務オペレーション、職員同士の連携が大切になってきます。
以前は週1日だけタクシー会社に外注をしたことがあります。そのときは朝8時から10時、15時から17時の計4時間で、1日1万6000円でした。車両は当社所有でしたが、これをタクシー会社所有のもので行うと1日2万円、月契約だと月40万円です。数社のタクシー会社と打ち合わせましたが、どこも同じような金額設定でした。
外注で送迎を行っている法人も少ないないでしょう。自社でできれば、この経費は浮くことになります。送迎のオペレーション体制を見直すことで経費が浮く場合も多くあるでしょう。
その3 改築費(初期投資)
開設前の改築費用はとても負担になります。しかし、利用者をおもてなしする場、スタッフに気持ちよく働いてもらうためには、一定以上のものを用意することが大切です。
初期投資を多くかけ過ぎると、月々のコストにかかる返済額(借入をして開設した場合)が大きくなります。安くて良い設備を整えるためには、業務者に任せきりだとコストが大きくなることがあります。
そこで、まずは自分たちで行える個所は行います。たとえば、壁の塗装です。大変そうに見えますが、意外と面白いものです。スタッフとともに行うことで、事業所への思い入れも芽生えます。あまり経費の削減にならないようにも感じますが、数万円のコスト削減になるのです。
さらに、業者の出した見積もりを細かく確認することをおすすめします。床材一つをとっても、製造元を調べて、直接問い合わせます。中間に業者が入ることで、2割3割のコスト高になっている場合が多いです。インターネットで調べると料金表が出ている場合もあります。
レク用品については、高齢者用のレク用品の代用となるものを探します。たとえばボーリングセット(高齢者施設用)は、介護用の商品だと3万円ほどします。しかし、玩具屋などを回ると、ほぼ同じ商品が5000円前後で販売されています。もちろん、利用者の身体機能向上のための用品は、それなりの研究、用途の仕様になっていますが、すべて高齢者用にしてしまわなくてもいいケースもあるでしょう。
改築前と改築後
施設や事業所を運営する際、ランニングコストは大きなウエイトを占めます。改善できる点、節約できる点を常に見直していくことで不要な出費を抑え、職員に還元、法人に留保、利用者へのサービスの還元ができるでしょう。
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