「質問力」の本を学び、ノート化
今回は、私が感激したあるケアマネジャーさんについてのご紹介です。
その人は、福島県浪江町でケアマネジャーをされていた立川さん。
「私、先生のファンなんです。この『ケアマネジャーの質問力』という本は、本当に役に立っています。サインをいただけますか?」
福島県の帰宅困難区域の浪江町に行く車中でのことでした。ほほ笑みながら差し出されたボロボロに使いこまれた「質問力」の本を開くと驚きました。
どのページを開いても、書き込みとマーカーで色分けされています。
「これ、いいですねぇ。こんなに書き込みをされているのですか!」
私の文章を読むだけでなく、頭に浮かんだ質問フレーズを書き加えていらっしゃいました。
これが大切なんですね。私の文章を鵜呑み(?)にするだけでなく、自分なりの頭で考えてフレーズを書き込んでいるわけですから、倍付けで質問フレーズを増やすことができます。
かねてから、私も本には書き込みをする人です。線を引くだけでなく、目の前に著者がいることを想定し、「これはGood!」「なるほど!」というキーワードを書く時もあれば、「飛躍しすぎだ!」「論点があいまい!」「この展開には無理がある」など、突っ込みキーワードを書いたり…まさに「自分ノート化」をしているわけです。
立川さんは、私が本書の中で示しているトレーニング手法を実践されていました。ちょっと紹介しますね。
●「~のようになった原因を、自分ではどのように思われていますか?」
●「どのようなことがつらいですか? そのとき、どのような気持ちですか?」
さらに「枕詞を使う」の項目では、ご自分なりに次のように書き出しをされています。
また、利用者への質問のポイントの最後の「プロセス思考」のところに、青色マーカーで線を引かれています。私がうれしかったのは「普段の動作をして…」と書きだしがある点です。
私は、つねづね研修会で、「結果だけを情報収集することの誤り」についてお話ししています。
例えば、「1人で食事ができない」というのは結果です。
どんな料理だと食事ができないのか? 1人で食事ができないというのは、時間がかかるということなのか? それとも食べ物を口元に持っていけないことなのか?
こういうことも、普段、私たちが何気なくやっている動作を自分でゆっくりと再現してみれば、「ヒント」が浮かんできます。
そしてご本人に実際の動作を行ってもらうことで、どこに時間がかかるのかがわかるでしょう。
そのようなことを立川さんは大切と思い、まずは「メモ書き」をして、実践に活かされているわけです。
私が書いた本をお持ちの方、ぜひともガンガンと書き込みをしてください。そして自分のモノにしてください。書き込んだ分だけ、覚えていけるものですから…。
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