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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

講演:「60歳からの人生設計」

 一昨日、和歌山県御坊市で講演したテーマが「60歳からの人生設計」。もともと、団塊高齢者を対象とした介護予防がテーマの講演でしたが、最終的に送られてきたチラシがこれだったので、ハタと悩みました。

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 「う~ん、これを私が話していいのだろうか」

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 このテーマなら、シニアになって10年くらいは経過している70歳前後の元気高齢者の方が、自分の経験を踏まえて話すのがちょうどいいと思ったからです。例えばタレントや歌手ならば、〇幸夫さんとか、元アナウンサーの〇〇宏さんとか…。

 でも乗りかかった船ですし、自分も振り返ると56歳となり、4年後には60歳になるのですから、ここは自分の世代のテーマとして、いっちょう頑張るかと意を決して当日に望むことにしました。

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 開場の13:00になると、続々とシニアの皆さんが入ってこられます。しかし、どう見ても60歳前後とおぼしき方々は少ない。
 むしろ、60代をうまく生き抜き、70代を謳歌(?)されている中堅シニアの方々が圧倒的です。そして80代の方もチラホラ。
 
 あれれれれ・・・?
  
 主催の御坊市社協の竹永さんと介護保険課長の田中さんに耳打ちしました。
 「ちょっと年齢が高めじゃないですか?」
 「そうですねぇ…地域のサロン活動を頑張っておられる方も多く見えますね」
 
 講演の始まりは「団塊高齢者の特徴」についてお話しをしました。
 
 「男性高齢者は仕事を中心とした人生を送ってきています。それがN字曲線と言われるものです。多くの男性は、仕事人間を強いられる人生でした。そのことで右肩上がりの人生を歩むことになりました。
 給与が上がり解雇される心配がなかったのは終身雇用制だったため、また、昇進が約束されたのは年功序列だったためです。しかし高齢期を迎え退職すると、初めて人生の喪失感と立ち向かうことになります。
 (1)肩書きの喪失
 (2)人間関係の喪失
 (3)経済的安定の喪失
 これらを喪失した自分をどのように受けとめ、新しい自分づくりができるかどうか、これが団塊高齢者、特に男性に求められています」

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 この後、「高齢人生を生き抜く10のセルフチェックシート」を記入してもらい、隣りの方と話し合ってもらいました。
 おおかたの男性は「料理力」「整理清掃力」「お楽しみ力」が低いのが顕著でした。お元気な女性たちは、どの数値も高く、なかなかのたくましさです。ただ、最後の「要介護者力」(介護を受ける能力)だけは、まだまだピンとこないようでした。

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 休憩後は、ではどうやったら60歳からの人生を充実したものにできるかを、以下の角度からお話ししました。
 (1)趣味・楽しみ
 (2)生活習慣
 (3)学び・教え
 (4)地域貢献・ボランティア
 (5)健康づくり
 
 私の質問にも的確に答えていただき、笑いあり、ちょっと感動(?)もありの、とても盛り上がった講演会でした。
 ちなみに、話題に上げた人物の下の名前がなぜか(^_^;)思い浮かばなかったときも、「柴田…」「とよさん!」「石川…」「良くん」と、しっかりとフォローをしていただきました。

 
 
 最後に介護保険課長の田中さんからのメールをご紹介しますね!(^^)!
 
 「本日は遠方よりお越しいただき、本当に素晴らしい研修をありがとうございました。先生が控室に戻られた後も、参加者からは『今までで一番良かった』『また来てほしい』とすごい賞賛の嵐だったようで、私どもも嬉しく思っております」

 私もとても楽しい2時間に感謝です。

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【研修会場・写メ日記】

福井市地域ケア会議研修会
「地域包括ケアシステムと地域ケア会議の役割と進め方」

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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